11月19日から開催される男子テニス国別対抗戦「デビスカップ・ファイナルズ・ノックアウトステージ」(スペイン・マラガ/ハードコート)を最後に現役を引退する元世界ランク1位のラファエル・ナダル(スペイン/現151位)が、母国のニュースメディア『AS』のインタビューに登場。その中で“ビッグ3”として長年共に男子ツアーを牽引したロジャー・フェデラー氏(スイス/元1位/引退)が自身の最大のライバルだったと語った。
四大大会決勝でも幾度となくしのぎを削ってきたナダルとフェデラー氏。ツアーでの対戦回数は実に40回を数え、ナダルから見て24勝16敗。今後も2人がテニス界ないしはスポーツ界で後世に語り継がれる“史上最高のライバル”であることに変わりはないだろう。
周知の通りナダルは、同じビッグ3で自身の後に台頭してきたノバク・ジョコビッチ(セルビア/現4位)と60回対戦しており、回数だけで言えばフェデラー氏よりもかなり多い。それにもかかわらずナダルはジョコビッチではなくフェデラー氏が最大の好敵手だったと振り返る。
「私はノバク(ジョコビッチ)と誰よりも多く対戦してきたが、私にとっての最大のライバルはロジャー(フェデラー)だった。というのも私がツアーに参戦し始めた時、ロジャーがすでにそこにいて、先を行っていたからだ。私のキャリアの絶頂期にはロジャーとノバクがいたが、初期の重要な時期には、常にロジャーがいた」
さらにナダルは自身とフェデラー氏のプレースタイルが対極にあることを踏まえ、こう続けた。「私とロジャー、私とノバクのライバル関係は、ロジャーとノバクの関係よりも激しかったように思う。自分でも理由はよくわからないけれど、世間もそう見ている気がする。とりわけロジャーに関しては、僕と彼のプレースタイルやスポーツへのアプローチがあまりに対照的だったからかもしれない」
一方で“最高”の選手は今もなお第一線で活躍し続けるジョコビッチだとし、次のように締めくくった。
「ノバクと対戦するのは信じられないほどの挑戦だった。彼は非常に高いレベルを維持し、毎年向上してきた選手だ。記録は彼が最高の選手であることを示していて、彼のテニスも最高だったということを意味する。そして彼は最もケガが少ないプレーヤーで、誰よりも長くフィジカルとメンタル、テニスのレベルを維持してきた。それこそが彼が最高の選手である理由であり、彼はその地位を築いた」
無類の強さと絶大なカリスマ性で世界中のファンを魅了してきたビッグ3。ナダルのコメントからは自身を高みに引き上げてくれた2人のライバルへの真のリスペクトが感じられる。3人全員が引退した後はどのような関係性を築いていくのか、それもまた楽しみだ。
文●中村光佑
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