昨シーズン、バイエルン・ミュンヘンのドレッシングルームで経験したのと同じような形で、ロベルト・レバンドフスキはバルセロナで孤独を感じ始めていた。
ラミン・ヤマルへの冷淡な態度が原因で若手から敬遠され、超が付くほどの我が道を行く性格が同じ外国人選手から疎まれていた。いずれにせよ、最大の敵はシャビだった。2人とも意見の食い違いを隠すことはなかった。
レバンドフスキは指揮官とコーチングスタッフの仕事ぶりを批判。一方のシャビはその無礼さに嫌気が差し、ジョアン・ラポルタ会長の自宅で行われた続投に合意した話し合いで、レバンドフスキの放出を要求した。
レバンドフスキにとって幸運だったのは、この協定はラポルタによってすぐに破棄されたことだ。しかし、彼の幸運はシャビの解任だけでは終わらなかった。後任としてハンジ・フリックがやって来たことだ。
彼の下でプレーした2019-20シーズンにバイエルンがタイトルを総なめにしただけではない。2人には、ラポルタが「兄弟」と呼ぶピニ・ザハビが代理人という共通点がある。
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ただドレッシングルームはまた別物だった。クラブが発表した新キャプテンに、レバンドフスキの名前はなかった。マルク=アンドレ・テア・シュテーゲンが第1キャプテンに就任し、ロナルド・アラウホ、フレンキー・デ・ヨング、ラフィーニャ、ペドリが続いた。
しかし、レバンドフスキとバルサとって何かが変わった。レバンドフスキが最初にしたことは、ラミン・ヤマルとの関係を改善することだった。「ラミンには気をつけなければならない」とスポーツ部門に警告していたのが、スペインの若き真珠をサポートするようになった。
「彼は馬鹿じゃない。長年の経験からドレッシングルームでの振る舞い方を知っている。ラミンとうまくやるのが今の自分にとってプラスになることを知っている」とチーム関係者は説明する。
一方、他の外国人選手との関係は昨シーズンと大きな変わりはない。しかし、イスラエル人のパートナーの勧めもあって積極的に外国人選手と交流していたセルジ・ロベルトの後ろ盾もイルカイ・ギュンドアンの貫禄も失い、彼らは勢力を弱めている。
レバンドフスキの立ち位置が変わったのは、同胞のヴォイチェフ・シュチェスニー加入の仲介役を買って出たことからも伺える。レバンドフスキはもはや孤独ではない。
ドレッシングルームでチームのまとめ役となり、ピッチではゴールを量産し続けている。新リーダーとして、そしてベテランストライカーとしてレバンドフスキが“フリック・バルサ”を引っ張っている。
文●ファン・I・イリゴジェン(エル・パイス紙バルセロナ&スペイン代表番)
翻訳●下村正幸
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