メルセデスのジョージ・ラッセルは、2024年マシンW15が現状「これまでで最も一貫性がない」との考えを示した。
アメリカGP以降、ラッセルとルイス・ハミルトンのふたりは最新バージョンのW15でクラッシュ続きとなっており、メルセデスはハンドリングの癖が生まれた原因を突き止めようとしている。
サンパウロGPでは、ハミルトンがメキシコシティGPで使用した仕様のフロアに若干の修正を加えた最新仕様が2台に搭載される予定だ。
両ドライバーが最初のフリー走行で使用するフロアの仕様には細かい違いがあるようで、この実験はチームに何が必要かを理解する上で役立つと考えられる。
メルセデスは今季、サマーブレイク前の4戦で3勝をマークする活躍を見せたが、ラッセルはW15のパフォーマンスが予測不能になってしまっていることには多くの混乱が残っていると語った。
「2022年、ある種のポーパシング時代には、もっと不快なモノだったというのは間違いない」
現行グラウンドエフェクトカー時代におけるメルセデスの進歩を振り返り、ラッセルはそう語った。
「でもマシンの特性上、文字通りすべてのコーナーで飛び跳ね、噛みつくこともあるから、限界に近づくのはかなり難しかった」
「このマシンが抱えている現在の問題は、『噛みつかれることはない』と思って、すごく良いラップを刻んでしまうことだ。そして突然、何も変わっていないと感じているのに、次のラップにはそのパフォーマンスを失ってしまう」
「チーム史上おそらく、最も一貫性のないパフォーマンスだというのは間違いない」
またラッセルはサンパウロGPで、アメリカGP予選でクラッシュした際のフロアを修理したモノを使用すると説明。ただ、ハミルトンとのフロアの違いは非常に少ないという。
「2台とも同じフロアになる」とラッセルは言う。
「ちょっとしたトライアルとして、仕様に若干の違いはあるけど、アップデートじゃない。通常の空力テストの範囲だ」
路面の影響
メルセデスにとって、サンパウロGPで重要なのは、舞台となるインテルラゴス・サーキットの新しい路面がタイヤにどれだけ影響するかということだ。
メルセデスのマシンは、路面温度にかなり敏感で、高温になればなるほどパフォーマンスが低下するとされている。
新しく敷設されたインテルラゴスの黒いアスファルトは以前よりも高温になるとの予測が出ており、メルセデスはこの路面に注視する必要があるとラッセルは語った。
「舗装の色も影響して、色が濃いほど温度は高くなる」とラッセルは言う。
「裏を返せば、非常に滑らかな路面だからタイヤはより高温でも機能して、ダメージも少なくなる。それがセオリーだ」
「でも、それが僕らにとって良いことなのか、悪いことなのか分からない。オースティンはその最たる例だった。金曜日の(F1スプリント用の)予選ではふたりでポール争い、土曜日の(決勝用の)予選ではルイスはQ1で敗退し、僕はウォールに突っ込んでしまった。何も変更点はなかったんだ」