セパン・インターナショナル・サーキットでMotoGP第19戦マレーシアGPが開幕。2日目の予選でポールポジションを獲得したのは、フランチェスコ・バニャイヤ(ドゥカティ)だった。
サーキット周辺は雨が降る予報も出ていたが、2日目の午前は曇りながらも天候は保たれ、ドライコンディションで予選が行なわれた。
予選グループ分けでは、ヤマハ勢が2台ともQ2へ直接進出した一方で、ホンダ勢は4台全員がQ1スタートとなってしまった。またファビオ・ディ・ジャンアントニオ(VR46)の代役としてMotoGP復帰を果たしたアンドレア・イアンノーネも、ぶっつけ本番ということでさすがに予選Q2への直接進出とはなっていない。
予選Q1ではVR46のマルコ・ベッツェッキが1分57秒974をマークし、これが暫定トップタイムとなった。2番手にはペドロ・アコスタ(GASGAS)が0.038秒という僅差で続いている状態だった。
終盤のアタックではブラッド・ビンダー(KTM)が1分57秒800を記録し、暫定トップを更新。他のライダーも最速タイムを更新するペースを見せたが、後半セクターでそのペースが持続しない例も見られ、なかなかトップタイムは更新されなかった
ただ最後の最後でヨハン・ザルコ(LCRホンダ)が1分57秒635をマーク。トップタイムを更新し、Q1をトップで通過した。2番手はビンダーだった。
なお5年ぶりのMotoGP出場となっているイアンノーネは、最終的に1分58秒183をマークし、7番手タイムで予選を終了。中上貴晶(LCRホンダ)は1分58秒300の8番手タイムで、イアンノーネの後塵を拝する形に。またレプソル・ホンダのルカ・マリーニとジョアン・ミルも9番手と10番手で、同様にイアンノーネに上回られてしまった。
続く予選Q2ではタイトル争い中のフランチェスコ・バニャイヤとホルヘ・マルティン(プラマック)の走りが注目されたが、バニャイヤは初日両セッショントップタイムの貫禄を見せる、1分57秒191をマーク。いきなりサーキットレコードを更新してしまった。
ただ、後方からアタックをかけたマルティンがそれを更に上回る1分56秒996を叩き出し、Q2前半時点ではマルティン、バニャイヤ、エネア・バスティアニーニ(ドゥカティ)がトップ3で、マルク・マルケス(グレシーニ)が4番手に続くという状況だった。
マルティンは連続アタックに入ると、1分56秒553とさらに大きく自己ベストを更新。バニャイヤも自己ベストを1分57秒080まで更新していたが、それを大きく突き放すタイムだ。
圧倒的なタイムを刻んだマルティンに、はたして対抗できるライダーが現れるのか? 大注目のQ2終盤のアタックではディフェンディングチャンピオンのバニャイヤが意地を見せた。
バニャイヤはセクター1を最速タイムで通過すると、そのままの勢いで残る3つのセクターもまとめ上げ、1分56秒337のタイムを記録。マルティンに0.2秒差をつけてトップタイムとした。
これを受けたマルティンも最後までアタックを続けたが、自己ベストを超えるペースを刻めず、さらにフロントタイヤを切れ込ませて転倒しそうになり、アタックを中断……結局トップタイムを更新するライダーは現れず、バニャイヤがポールポジションを獲得した。
2番手にはマルティン、3番手にはアレックス・マルケス(グレシーニ)が並んだ。なおバニャイヤのポールポジションタイムは、3番手のマルケスに0.928秒差をつけるほどの圧倒的なタイムだった。