セパン・インターナショナル・サーキットでMotoGP第19戦マレーシアGPのMoto2予選が行なわれた。ポールポジションを獲得したのは、ホルヘ・ナヴァッロ(OnlyFans American Racing Team)だった。
Moto2クラスは前戦のタイGPで小椋藍(MT Helmets – MSI)がチャンピオンを獲得。15年ぶりに日本人ライダーの世界選手権チャンピオンの誕生となった。
マレーシアでも、小椋はフリー走行総合8番手でQ2へ直接進出を果たした。なお今回佐々木歩夢(Yamaha VR46 Master Camp Team)は金曜日のフリー走行でハイサイドから転倒。右手首と右足首を負傷し、右手首の骨にはヒビが入っているとのことで、土曜日以降を欠場している。
サーキット上空は曇り空ながらもドライコンディション。気温31度、路面温度43度という条件で予選がスタートした。
Q1ではフィリップ・サラック(Elf Marc VDS Racing Team)が序盤から暫定トップに立つが、残り4分を切ってソムキアット・チャントラ(IDEMITSU Honda Team Asia)が2分5秒202をマークし、それを上回った。このタイムは、昨年のMoto2ポールポジションタイムを上回るものだ。
セッション終了間際に地元マレーシアのカイルール・パウイとムハマド・アズマン(ともにPetronas MIE Racing RW)のクラッシュによる黄旗が振られたこともあって、タイム更新はあまりなく、チャントラとサラックの他バリー・バルタス(RW-Idrofoglia Racing GP)、セナ・アジアス(Liqui Moly Husqvarna Intact GP)がQ2に駒を進めた。
Q2は、序盤から2019年に記録された従来のコースレコード(ブラッド・ビンダー/2分4秒769)を多くのライダーが上回るという激しいタイムアタックに。中でもマルコス・ラミレス(OnlyFans American Racing Team)が2分4秒475で暫定トップに立った。小椋は最初のアタックで6番手とし、続けてアタックを行なったが前のライダーに引っかかる形となり、ピットに戻った。
残り2分を切り、ラミレスのタイムを上回ったのはチームメイトのホルヘ・ナヴァッロ。ジョー・ロバーツの代役としての出場だが、2分4秒412を叩き出した。
終盤はジェイク・ディクソン(CFMOTO RCB Aspar Team)の転倒や、アロン・カネット(Fantic Racing)が大きくマシンを振られあわや転倒というシーンもあり、有力ライダーが不発。小椋も最終的に7番手となった。
これでナヴァッロは2019年の最終戦バレンシアGP以来となるポールポジション獲得。28歳の彼は今季、Klint Forward Factory Teamから6戦、前戦タイから現チームで代役を務めているが、強烈なアピールで堂々ポールとなった。
2番手はラミレスで、OnlyFans American Racing Teamにとってはワンツー。3番手はセレスティーノ・ビエッティ(Red Bull KTM Ajo)となっている。
小椋は最終的に7番手。タイトル争いから解放された彼が決勝レースでどんな走りを見せるのか、ファンだけでなく来季から挑戦するMotoGPの関係者も注目しているはずだ。