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大相撲秋巡業でアデノウイルス感染症を患い途中離脱していた新大関・大の里(24)が、10月28日に約半月ぶりに元気な姿を見せ、九州場所(11月10日初日)への意欲を語った。
この日、大の里は福岡市内の二所ノ関部屋宿舎での会見に臨み、「回復しました」とあいさつ。番付表を手に「名前が載っているのをみると大関になった実感が湧くし、より一層(気持ちを)引き締めないといけないと駄目だなという気持ちになる。上を目指して頑張る」と言葉に力を込めた。
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「アデノウイルス感染症は発熱、咽頭炎が主な症状。看板力士となり、さまざまな雑用の増加やプレッシャーが発症の原因とみられているが、免疫がつきにくく何回もかかることがある病気として知られている。そのため、九州場所への影響も懸念されるが、本人は『徐々に体も動かしている。いいかたちで(1年を)締めくくりたい』と前向きに稽古に励みだしているのです」(大相撲担当記者)
大の里には、史上9人目の新大関優勝や横綱昇進の最短記録など、数々の大きな期待がかかっているだけに、二所ノ関部屋や協会関係者らも気が気でない状態が続いているとか。
一方、大の里とは違う意味で相撲関係者らの注目を集めているのが、同じ大関の琴桜(26)だ。
琴桜は10月29日に福岡県庁などを訪問し、「優勝を目指してやっていく地位でもある。そういう気持ちを持ってやっていきたい」と発言。九州場所に意欲をのぞかせたが、その裏には周囲からの苦言が渦巻いていると評判だ。
琴桜に“喝”のオンパレード
「先場所の琴桜は勝ち越すのがやっとの8勝7敗に終わり、期待を大きく裏切ったが、それを改めて見せつけたのは9月29日、都内のホテルで開かれた琴桜の大関昇進披露宴だった。琴桜は祖父が元横綱、父も元関脇という相撲一家の御曹司だけに、招待客が八角理事長をはじめ1100人に上る盛大なものだったが、あいさつに立った出席者の口から飛び出したのは、『もっとしっかりしろ』『早く横綱に上れ』という“喝”のオンパレードだったのです」(協会関係者)
要は、相撲関係者から叱咤激励の声がひっきりなしに飛んだわけだが、大の里に先を越された琴桜にとって、この一件は相当骨身に染みたはず。そのため、九州場所を前に奮起して祖父が5回もやってのけた優勝を目指すことを公言したが、先場所の成績が成績だけに周りの視線は冷ややかなのだ。
先の大相撲担当記者が言う。
「もう一人の大関、豊昇龍(25)もそうだけが、先場所の成績は横綱、大関が5人も6人もいての8勝7敗じゃないからね。うかうかしていたら、あっという間に大の里に水を開けられる。体だけでなく心もしっかり鍛え直して、九州場所に臨まないと優勝もぎ取ることはできないでしょう」
さて、琴桜は有言実行、九州場所を制することができるのか。
「週刊実話」11月7・14日号より一部内容を変更