「今年も受賞したい」ウルブズの守護神ゴベアが史上最多5度目のDPOY獲得に意欲「ベスト中のベストだけが手にできる」<DUNKSHOOT>

 昨季、ミネソタ・ティンバーウルブズのルディ・ゴベアはリーグ2位の平均12.9リバウンド、同6位の2.13ブロックとリムプロテクターとして君臨。チームの平均失点&ディフェンシブ・レーティングでリーグ1位の立役者となり、キャリア4度目の最優秀守備選手賞(DPOY)を受賞した。

 迎えた2024-25シーズン、216㎝のビッグマンとDPOYを争うことが予想されるのが、同じフランス出身で今夏のパリ五輪の代表チームで共闘したヴィクター・ウェンバンヤマ(224㎝/サンアントニオ・スパーズ)だ。

 ルーキーイヤーの昨季にブロック王に輝いたウェンバンヤマは、「最優秀守備選手賞を獲得したい」と公言しているが、今季もゴベアがタイトルを手にした場合、通算5度目の受賞となり、単独トップに浮上する(現在の4回はディケンベ・ムトンボ、ベン・ウォーレスと並んで1位タイ)。

 ゴベアは11月2日のスパーズ戦後に「もちろん、今年も受賞したいね。第一、このような栄誉は、それを信じて日々戦わなければ手には入れられないものだ。ベスト中のベストだけが手にできる」と5度目のDPOY獲得に意欲を見せた。

 ただその一方で、「いつか必ず彼(ウェンバンヤマ)はこの賞を受賞する。その時に真っ先に祝福するのは俺だ」とフランス代表の後輩へ期待を寄せている。

 ゴベアは10月にウルブズと3年間の契約延長にサイン。契約最終年の2027-28シーズンには36歳を迎えるが、ミネソタで引退という青写真は現時点では描いていないと、フランスのレキップ紙に語っている。
  この新契約では、年俸4300万ドルから3500万ドルの減額に応じており、これについて本人は「ウィン・ウィン」と語る。

「チームはこれによって今いる主力をキープして、タイトル獲得に腰を据えて挑むことができる。自分としては、3年間の契約延長を結んだことで、安定感を得られた」

 昨季のウルブズは成長著しいエースのアンソニー・エドワーズを中心に、ウエスタン・カンファレンス3位の56勝26敗(勝率68.3%)を記録。プレーオフでも1回戦でフェニックス・サンズをスウィープ(4連勝)で片づけ、続くラウンドでは王者デンバー・ナゲッツを4勝3敗で撃破し、ケビン・ガーネットやサム・キャセール、ラトレル・スプリーウェルらを擁した2004年以来20年ぶりにカンファレンス決勝まで勝ち進んだ。

 今年の5月に第一子が誕生し、家族ともどもミネアポリスでの暮らしが気に入っているというゴベアにとって、減額を飲んでの契約延長は、十分に価値のあるものだった。

 そして9月末に生え抜きビッグマンのカール・アンソニー・タウンズをニューヨーク・ニックスに放出したウルブズにとっても、ゴベアの重要度はより増している。
 
 キャリア12年目を迎えた守護神のミネソタでの戦いは今後も続く。

文●小川由紀子

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