ザウバーは11月6日(水)、現在レギュラードライバーを務めるバルテリ・ボッタスと周冠宇が今季限りで離脱し、新人ガブリエル・ボルトレトが2025年からチームに加わることを続けて発表。ボッタス曰く、2024年限りでのチーム離脱は「綿密な話し合いを重ねた結果」だという。
ザウバーにとって2025年は、2026年からのアウディワークス化を控える重要な1年。既にハースからニコ・ヒュルケンベルグを獲得することが決まっていたが、その相方となるドライバー選びには時間を要した。
ザウバーの親会社にあたるアウディは、最終的にウイリアムズ入りを決めたカルロス・サインツJr.をはじめ様々なドライバーに接触。ここ最近は、ボッタスをはじめとする経験豊富なドライバーを選ぶか、それともボルトレトを筆頭に新進気鋭の若手ドライバーを起用するか熟考を行なっていた。
そして今回ザウバーは2025年に、ヒュルケンベルグとボルトレトというドライバーラインアップで挑むことを発表した。
既に2024年シーズンは後半に差し掛かり、来季の空きシートはレッドブル傘下のRBの1席のみ。ザウバーのシートを失うボッタスが来季グリッドに残る可能性は実質的にゼロと言える。
しかしボッタス、そしてチームとしては「綿密な話し合いを重ねた結果」だという。
「このような状況は誰にとっても簡単なことじゃない」
チームのリリースでボッタスはそう語った。
「しかし、この数週間、綿密な話し合いを重ねた結果、一緒にこのプロジェクトを成長させるための条件が満たされていないことに気づいた」
「チームとのこの数年間は、成長、挑戦、そして忘れられない瞬間に満ちた素晴らしい旅だった。経験だけでなく、あらゆる段階で感じた信頼とサポートに感謝している。もう次のステップに進む時が来たけど、僕は常にこのチームのピースを持ち続けるはずだ。僕らの未来がどうなるのか楽しみだ」
またザウバーの最高執行責任者(COO)兼最高技術責任者(CTO)を務めるマッティア・ビノットは、ボッタスの献身を高く評価した上で、別れの時が来たと説明した。
「この3年間、共に歩んでくれたバルテリに深い感謝の意を表したい」
ビノットはそう語り、次のように続けた。
「彼はプロフェッショナリズムの体現者で、豊富な経験を活かしてチームの成長を支えてくれた。バルテリの献身とアプローチは、私たちの歴史の中で極めて重要な時期にかけがえのないものであり、この数年間の思い出は長く私たちの心に残ることだろう」
「来シーズンのドライバーラインアップを考える上で、バルテリは間違いなく重要な候補だった。そのファイティング・スピリットで、彼はしばしばマシンのパフォーマンスの限界を超える走りを見せていた。しかし、決断を下さなければならなかった」
「オープンで建設的な話し合いの結果、最終的な条件が満たされないという結論に達し、別れる時が来たということで合意した。バルテリは、ここヒンウィルのドアをいつでも開けられる」
2021年限りでメルセデスを離れたボッタスは翌年から、まだアルファロメオブランドでF1グリッドに並んでいたザウバーに加入し、3シーズンにわたり所属した。
ボッタスは来季、古巣であるメルセデスに戻り、リザーブドライバーに就任する可能性が高いと考えられている。近年はレギュラードライバーの代役グランプリ出走という機会も増えており、先日のサンパウロGPでは体調不良を訴えたケビン・マグヌッセンの代わりに、ハースからオリバー・ベアマンが自身3度目の代役F1参戦を果たしたばかりだ。