ダークホース感のあるアニメが妙に多い春クールも間もなく終盤です。皆さんの考える、意外性あふれる春アニメはどれですか?



画像はTVアニメ『ガールズバンドクライ』キービジュアル (C)東映アニメーション

【画像】えっ地上波で放送していいの? これが過激すぎて「規制版」も作られた24年放送アニメです

春クールの終盤、心躍らされるダークホース作品

 春アニメも多くの作品がラストスパートに入りました。みなさんも、好きな作品のクライマックスの到来に胸踊らせているでしょう。

 さて、いろんな作品を観ているとうれしいのが、ダークホース的な存在のアニメです。始まる前までは特別に期待していなかったのに、観ていくうちに意外とハマってしまう……そうした作品に出会えたときの喜びは格別ですよね。

 今期は『変人のサラダボウル』を筆頭に、『アストロノオト』『オーイ!とんぼ』『烏は主を選ばない』『ヴァンパイア男子寮』『Unnamed Memory』『喧嘩独学』など、そういった作品に恵まれた印象があります。

刺激に満ちたバンドもの『ガールズバンドクライ』

『ラブライブ!』の生みの親がプロデュースし、『ラブライブ!サンシャイン!!』の監督やシリーズ構成を務めた人びとが手がける完全新作です。それだけに「ダークホース」というのもおこがましいかもしれませんが、『ガールズバンドクライ』は多くの人が想像した以上の反響を集めながら終盤に突入しようとしています。

 川崎を舞台にしたガールズバンドものの本作の魅力は、従来のCG作品とは異なる魅力を持つキャラクターのルック、自分の感情に素直な主人公「井芹仁菜」の強烈なキャラクター性、YUKIやAimerなどをプロデュースしてきた玉井健二さんによる楽曲、リアルバンドとの連携など多岐にわたります。

 そのなかでもキャッチーかつ胸をえぐるようなセリフや展開が続く迫真の物語は大きな魅力であり、今後、仁菜が放つ「トゲ」がどう解消されるか(もしくはされないか)、そしてバンド「トゲナシトゲアリ」の行く末が注目されます。

『ガールズバンドクライ』は、TOKYO MXにて放送中です。また、「Amazon Prime Video」「U-NEXT」「dアニメストア」ほか配信サービスでも、順次配信されています。

ほのぼの……と見せかけて、な『となりの妖怪さん』

 意外性という点では『となりの妖怪さん』も触れないわけにはいきません。本作は妖怪と人と神様がともに暮らす町で、日常の少し不思議な出来事やそのなかで懸命に生きる存在の思いが描かれます。

 基本的には見た目通りほのぼのとした作風ではあるですが、なぜか「え、そんな設定の作品なの?」「こんな話のオチなんて……」と呆然としてしまう展開もしばしばです。気付けばどんな話が展開するか毎回目を離せない、妙な中毒性を放つようになりました。『となりの妖怪さん』は、『怪異と乙女と神隠し』とともに春の「ちょっと変わった怪異もの」枠を形成しているといえるでしょう。

『となりの妖怪さん』はテレビ朝日ほかにて放送中です。また、「U-NEXT」「ABEMA」「Hulu」ほか配信サービスでも、順次配信されています。

転生ものの新鋭『転生したら第七王子だったので、気ままに魔術を極めます』

 異世界転生ものの人気シリーズ作品の続編がそろうなか、『第七王子』は本サイトの春クール中間ランキングで3位にランクインするなど、ダークホース的な存在感を放っています。

 絶大な魔力を持つ第七王子「ロイド」の冒険譚であるこの作品は、同ジャンルのお約束的な展開を抑えつつ、シリアスとギャグのギャップや、つむぎ秋田アニメLabによる戦闘シーンを中心とした良質作画でメリハリある物語がたのしめます。特に第5話、第9話、そして第10話終盤の剣戟(けんげき)など分かりやすい見どころが多く、このジャンルが苦手という人にもぜひ一度観ていただきたいエピソードです。

『転生したら第七王子だったので、気ままに魔術を極めます』はテレビ東京ほかにて放送中です。また、「dアニメストア」「Amazon Prime Video」「TERASA」ほか配信サービスでも、順次配信されています。