10月から秋アニメの放送が開始されていますが、20年前の秋アニメはいったい、どのような内容だったのでしょうか。なかには、今なら放送できないような、過激な内容の作品もあったようです。



『舞 – HiME 1』(バンダイビジュアル) (C)サンライズ

【画像】ぱふっ←音きこえそう こちらが超近キョリな『舞 – HiME』キャラです(4枚)

トラウマ級の過激シーンも

 今から20年前の2004年には、いったいどのような秋アニメが放送されていたのでしょうか。コンプライアンスの整備が進む近年の作品とは異なり、当時は放送コードスレスレの「過激な」表現もあったようです。そこで、「20年前に放送された過激な秋アニメ」を探してみました。

※この記事には、『舞 – HiME(まいひめ)』『神無月の巫女』のネタバレが含まれます。

『舞 – HiME』

 両親を亡くし、弟とともに転校した「鴇羽舞衣(CV:中原麻衣)」は、転校先の風華学園で特殊能力「HiME」に目覚めます。謎のモンスター「オーファン」にたびたび襲われながら、舞衣はほかの「HiME」と出会い、その残酷な運命に巻き込まれていきます。

「サンライズ初の萌えアニメ」と称される本作ですが、どちらかというとお色気描写が目立ちます。とあるキャラが下着を履いていなかったり、オーファンの触手に縛られたり……。4話では、下着泥棒をおびき寄せるため、大量の下着を学園の外につるして、ライトアップします。

 これだけだと単なるお色気ラブコメに見えますが、話が進むにつれ「HiME」たちの宿命や暗い過去が明かされます。その救いのない展開のなかには、「令和では無理かも……」と思わされる表現も出てくるのです。どこか悲しげな梶浦由記さんの音楽が、さらに物語を盛り上げます。

 また、「HiME」たちの恋愛模様も当時にしては多様で、同性同士や兄妹(に見えるふたり)の恋愛、聖職者の恋愛も描かれているのです。X(旧:Twitter)では、放送20周年を記念した公式アカウントが開設され、豪華声優陣によるイベントやグッズの情報も発信されています。

『神無月の巫女』

「乙橘学園」に通う「来栖川姫子(CV:下屋則子)」は、皆の憧れのお嬢様である「姫宮千歌音(CV:川澄綾子)」と、隠れた仲良しです。姫子は、学園で人気者の「大神ソウマ(CV:間島淳司)」に好意を持たれますが、ソウマの想いは意外な形で終わりを迎えます。

 実は、千歌音も姫子に想いを寄せており、千歌音は8話で姫子の純潔を奪うのです。雷雨がとどろく暗い屋敷で、姫子は何度も「嫌!」と叫びますが、千歌音は訳も教えず姫子を襲います。ソウマが駆けつけた頃には、床に衣服が散らばり、姫子は呆然と座り込んでいました。

 トラウマ回としても有名な8話ですが、DVD-BOXのブックレット4巻には、千歌音が姫子を襲った理由が記されています。姫子は葛藤しつつも千歌音と向き合おうとし、ソウマもそんな姫子を支えますが……。千歌音と姫子が互いの本音を打ち明ける最終12話は、感涙必至です。

 作品冒頭の雰囲気は学園ラブコメかと思いきや、巨大ロボットが出てきて巫女要素まで追加されます。しかしその実態は、「伝説の百合アニメ」なのです。

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 20年は、生まれたばかりの赤ちゃんが成人式を迎えてしまうほど、長い年月です。アニメの雰囲気も大きく異なり、近年の作品にはない過激さも見られますが、それも味わい深いものです。20周年のこの機会に見直してみてはいかがでしょうか。