物を作るのが好き、という方の中にはものづくりの仕事に憧れる方も多いのではないでしょうか?
昨今、日本の高い技術力や品質の良さが見直され、日本のものづくりの技術を国を挙げて守っていこうという動きが出ています。もし、ものづくりの仕事に就きたいと考えているなら、今がチャンスかもしれません。
とはいえ、ものづくりの仕事にはどんな職種があるのか、自分に向いているのかどうか気になりますよね。今回は、ものづくりの仕事に向いている人の特徴から女性が活躍するものづくりの職種、そしてものづくりの仕事のメリット・デメリットまでご紹介します。ものづくりの仕事に関わりたいと考えている方は、是非参考にしてみてくださいね。
ものづくりの仕事とは?
ものづくりの仕事と一口に言ってもさまざまな職種があります。具体的にどのような仕事内容が当てはまるかというと「自分の技術を活用して製品を作り上げる仕事」であるかどうかです。
伝統工芸の仕事はまさにものづくりの仕事と言えますが、販売する「物」を作るだけでなく、美容師のように培った技術を提供する職種、プログラマーなどシステム開発に携わるのもものづくりの仕事と言えます。自分の手で作る作業に携わるだけでなく、商品の開発や研究も、間接的なようですがものづくりの仕事に分類できます。明確な決まりはありませんが、自身の技術を利用し製品を作り出すことが「ものづくり」と言われています。
今、ものづくりの仕事が見直されている
昔から日本のものづくりの技術は世界水準で見ても非常に高く、技術も品質もトップクラスでしたが、人件費の問題から近年では中国やベトナムなどのアジア諸国がベースとなっていました。出回ってすぐは安く購入できると人気が出た中国産やベトナム産の商品は、品質低下と人件費の値上がりもあって、今では再び日本のものづくりの素晴らしさに目を向けられるようになっています。
とはいうものの、一度海外に拠点が移ったこともあり職人の技術を継承する後継者不足が懸念されているのが現状です。そんな日本の伝統技術が衰退しないよう、「ものづくりマイスター制度」という制度があります。高い技術を持つ職人がものづくりマイスターに任命され、企業や学校で直接技術指導して後継者を育成する取り組みです。このように国を挙げ、日本のものづくりを守っていこうという流れになってきています。
ものづくりの仕事にはたくさんの種類がある
前述した通り、ものづくりの仕事と言ってもその種類はさまざま。ジャンルも幅広く多種多様です。ここでは、日本のものづくりの仕事を5種類に分類しました。順番に見ていきましょう。
製造系
製造系の仕事は直接製品を作るだけではありません。製品のアイデアや製品が出来るまでのプロセスを考える製品の企画・開発、そして商品の販売する際に必要なマーケティングを行う営業も、ものづくりの仕事に入ります。
具体的な製造系のものづくりの仕事は、ライン製造・生産管理・品質管理・マーケティング 営業などが該当します。
建設系
建設系というと大工や左官などの職人的な仕事の印象が強いかもしれません。それだけではなく工事を監督する施工管理などの仕事や、パソコンを使って図面を作成するCADオペレーターもものづくりの仕事に含まれます。
具体的な建設系のものづくりの仕事は、大工・左官・設計・施工管理などが当てはまります。
職人系
職人系のものづくりの仕事は、手作業で直接商品を製作すること。家具・時計・伝統工芸品など、職人と呼ばれる仕事は職人系のものづくりと言えます。
他のものづくりの仕事と比べると、跡継ぎが少ない傾向にあり、後継者不足が心配されている分野でもあります。
職人系のものづくりの仕事の具体例は、伝統工芸・陶芸・料理人・パティシエなどです。
クリエイティブ系
広告デザインや出版物のイラストを手掛ける仕事は、クリエイティブ系のものづくり。 グラフィックデザイナー・Webデザイナーなど、センスを必要とする職業が多いのが特徴です。
クリエイティブ系に当てはまるものづくりの仕事の具体例は、グラフィックデザイナー・Webデザイナー・広告デザイナー・ブックデザイナー・ファッションデザイナー・フォトグラファーなどが該当します。
IT系
IT系の中でもプログラマー・システムエンジニアなどがものづくりの仕事と言えます。WEBサイトの制作をする仕事や、システム・アプリの開発、介護用ロボットの開発といった日本のIT技術を活かしたものづくりの仕事もあります。
具体的な IT系のものづくりの仕事は、システムエンジニア・プログラマーなどです。
ものづくりの仕事に向いている人とは?
ものづくりの仕事にも向き不向きがあります。以下はものづくりの仕事をするのに向いている人の特徴です。
コツコツとした地味な作業が好きな人一人が好きな人手に職をつけたい人
それぞれ詳しく見ていきましょう。
コツコツ進めていく地味な作業が好きな人
コツコツと確実にこなす地道な作業が好きな人はものづくりの仕事に向いている人と言えます。ものづくりの仕事は、多くの時間が作業に割かれますから一人で黙々と作業することが苦にならない人で、一つのことをやり遂げる力がある人はまさにピッタリです。また、地味な作業の繰り返しも多く、集中して物事に取り組める人にとってもおすすめの仕事と言えるでしょう。
一人が好きな人
一人が好きな人も、ものづくりの仕事に向いています。場面によっては複数人でわいわい話しながら作業をすることもあるでしょうが、ものづくりの仕事は基本一人で黙々と作業をすることになります。
一人でいること、一人で作業することがストレスになってしまう、そんな方はものづくりよりも接客業や営業など他の職種に向いていると言えます。
また、話をしながらだと作業ミスを引き起こすこともあるので、静かに作業を行える方に適性があるでしょう。
手に職をつけたい人
手に職をつけたいと考えている人もものづくりの仕事に向いていると言えるでしょう。手に職をつけるとは技術力を上げることにイコールします。ものづくりを極めることで将来的にも安定したキャリアを築けるでしょう。また、転職したいと考えた場合も、技術を手にしていると次の仕事が決まりやすい傾向にあります。
女性が活躍するものづくりの仕事とは?
ものづくりの仕事と聞くと男性に多いイメージがあるかもしれませんが、女性が多く活躍している仕事もあります。以下は女性が活躍しているものづくりの仕事の一例です。
伝統工芸ライン製造アクセサリーなどのデザインや製造パン・お菓子など食品の製造
アクセサリーの製造やお菓子作りのように、自分の趣味や経験を生かせる仕事もあれば、工場のライン製造など、正社員だけでなくパートタイマーや未経験でもできる仕事もあります。長年の技術の研磨が必要となりますが、伝統工芸の世界でも女性ならではのセンスを用いて活躍する女性もいます。
ものづくりの仕事は女性も働きやすい環境に整えている企業も増えているため、興味のある方は思い切ってチャレンジしてみてもいいかもしれません。
ものづくりの仕事は給料が安い?
末端の仕事になりやすいものづくりの仕事は、給料が安いのでは?と思われがちです。実際パートタイマー・アルバイトなどの非正規雇用の方や未経験でも始められるものも多い業界ですからなおさらでしょう。
下積み時代が長くなりがちでスキルを身につけるまでの間、勉強する期間が長く精神的にも大変で割に合わないと感じることもあるようです。しかし、正社員として勤務し経験と技術を積んで工場長や管理職に昇進すれば年収はぐっと上がるため、ものづくりの仕事だから給料が安いとは限りません。
ものづくりの仕事のメリット
ものづくりの仕事のメリットは以下の3点です。
比較的雇用が安定している好きなことを仕事にできる成果が形として見える
それぞれ詳しく解説していきます。
比較的雇用が安定している
正社員であれば雇用が比較的安定していることは、ものづくりの仕事のメリットの一つです。ものづくりの仕事には、建築系、自動車業、Web系など市場が安定している業界が多いことと、世の中に求められている仕事が多く、その為雇用も安定しています。
また、日本のものづくりの技術は世界にも認められていますから、持続的な雇用の安定が期待できます。フリーランスやパートの場合は雇用が安定しているとは言い切れませんが、経験があることで比較的次が見つかりやすい傾向なのも、ものづくりの仕事のメリットと言えます。
技術を身に着けて長く勤め続けて欲しいという企業も多く、福利厚生が充実していたり、女性に優しい制度を取り入れていたりと、従業員の健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に実践する「健康経営」に積極的な企業も増えています。
好きなことを仕事にできる
ものづくりの仕事を選ぶ方の多くは「何か物を作るのが好き」な方が圧倒的に多いでしょう。ハンドメイド、伝統工芸、陶芸家、漫画家、家具職、靴職人、ロボット開発者など好きだからこそ技術を極めることも苦痛にならず夢中になっているうちに上達した、という方も多いのです。
成果が形として見える
作業中の工程や、自分で制作した完成品など、頑張った成果が形として現れるのはものづくりの仕事の良さではないでしょうか。逆にいうと失敗もわかりやすいとも言えますが、成果が目に見えると実感が沸きやすくやりがいを感じるはず。
また、自分の作ったものが市場に出回ったり、メディアに取り上げられたりするなど、わかりやすく成果を認識しやすいのも、ものづくりの仕事ならではのメリットと言えるでしょう。
ものづくりの仕事のデメリット
ものづくりの仕事のメリットはわかりました。今度はものづくりのデメリットを見ていきましょう。
下積み期間が長いルーティン作業が多い景気に左右されやすい
もう少し詳しく解説していきます。
下積み期間が長い
技術の会得が必須となるものづくりの仕事は、どうしても下積み期間が長くなってしまいます。中でも職人の仕事は弟子の期間が長く、認められないと独り立ちできないことからそれまで続けていられない、という方も出てきます。
エンジニアなどIT系の職種もスキルを身に着けるための勉強期間が長い傾向があります。またサイクルも早いため、新しい技術を学び続けなければならない状況が辛くなり、志半ばで諦めてしまう方もいるようです。ものづくりの仕事は「好きじゃないと続けることができない」と言われることがありますが、このような理由が原因と言えるでしょう。
ルーティン作業が多い
職種によって異なりますが、作業工程の多さ、同じ作業の繰り返し、一つの作品を作るのにも長い時間が必要となるなど、ルーティン作業に苦手意識がある方には難しい職種です。コツコツと仕事を重ね、黙々と作業することが苦にならないと厳しいでしょう。
景気に左右されやすい
ものづくりの仕事は景気によって変わりやすい職種が多く、大きく売上に影響するので、景気次第では営業を続けていけない、ということも起こり得ます。中でも景気に左右されやすいのは、生活必需品ではなく娯楽商品に携わる仕事です。
景気が悪化し売上がなくなるととたんに生活が立ち行かなくなりますから、副業なども兼用して行い収入源を一つに限定しない働き方がおすすめです。
まとめ:女性が活躍するものづくりの仕事も多い
製造系からクリエイティブ系、IT系まで、ものづくりの仕事の種類についてご紹介しました。また、女性ならではの感性を活かして活躍できる、ものづくりの仕事があることも知っていただけたでしょう。
ものづくりの仕事は性別も年齢も関係なく始められます。手を動かすことが好き、何かを作ることに夢中になれる、そんな方はぜひチャレンジしてみてください。
ものづくりの仕事に挑戦したいと思ったときは、健康経営優良法人に認定されている企業で働いてみてはいかがでしょうか。健康経営を積極的に推進している企業なら、女性の社会進出といった観点から妊娠や出産、女性特有の疾患に関する問題など、女性の健康課題に対応し、女性が働きやすい環境を整えていることが多いです。