エスパルガロ兄、いよいよ引退レースへ「エモーショナルな週末になる」でも願いはマルティンのチャンピオン獲得?

 11月15日にカタルニア・サーキットで開幕するMotoGP最終戦ソリダリティGPでアレイシ・エスパルガロ(アプリリア)は現役最後のレースとなる。彼はこのラストレースでは、自分の勝利よりも友人のホルヘ・マルティン(プラマック)のタイトル獲得を望んでいると語った。

 MotoGPクラスで現在最年長のエスパルガロは、2024年シーズンを最後に現役を引退。2025年からはホンダでテストライダーを務めることが決まっている。

 最終戦は当初予定のバレンシアGPが豪雨被害によって中止されたため、代替としてカタルニア開催となったが、このコースはエスパルガロにとっては2023年にスプリント・決勝勝利、2024年はスプリント勝利と好成績を直近で残してきた場所でもある。

 ただ経緯が経緯だけに、エスパルガロはラストレースに向けて複雑な気持ちがあるようだ。

「バレンシアはいつもパーティーみたいなものだったから、ここにいるのは少し妙な感覚があるね。こういった状況だし、もっと中立的な場所でサヨナラをしたほうが良かったかもしれない」

 エスパルガロはそう語る。

「バイクに乗るたび、それが最後のプラクティス、最後の予選、そして最後のレースだということになるのは分かっている。だからとてもエモーショナルな週末になるだろう」

「勝つために頑張るつもりだけど、今回のレースは違ったモノにしなくてはいけないし、1周1周楽しんで走らないとね」

 ラストレースについてそう語る一方で、エスパルガロは友人でもあるホルヘ・マルティンがフランチェスコ・バニャイヤ(ドゥカティ)を突き放してチャンピオンに輝くことを、自分の勝利よりも期待しているという。

「僕はラストレースでの自分の勝利よりも、マルティンがMotoGPタイトルを掴むことを願っている」

「彼がすべきなのは、この魔法のような週末を楽しむことだ」

「今年、マルティンはこれまでで最も大きく変わった。自分自身への自信は、以前は無かったものだ。彼はこれまでやってきたことや、ここまで導いてきたモノを変える必要はない。もちろん、僕は彼にゼッケンナンバー1をつけて欲しいよ」