日本代表が北中米ワールドカップ・アジア最終予選の第5戦で、インドネシア代表と敵地で対戦。4-0で快勝した。
大雨のなかで始まった一戦。悪天候の影響から試合序盤こそ日本選手のボールコントロールが上手くいかず、前掛かりになったところでカウンターを食らったけど、時間が経つにつれて徐々に相手を圧倒するようになった。実力差は明らかだったね。
この試合のPOMは守田だろう。ゲームを見事にコントロールし、49分には試合を決定づけるチームの3点目も挙げた。今の森保ジャパンは、相手が格下だと守田、格上だと遠藤が目立つ傾向がある。今回もそうだったね。
対するインドネシアは、ホームなのに守ってカウンター狙いだった。でも、何度かあった決定機をことごとく外してしまっては、その戦術は成り立たない。決められなかったけど、9分にオラットマングーンがGK鈴木との1対1に持ち込んだシーンは惜しかった。もっとも、そこで先制できたとしても、インドネシアは勝てなかったと思う。
元々サッカー熱が高く、人口が多いインドネシアだけど、強化が思うようにいっていないようだ。いくら選手を帰化させても、それは短期的な“補強”にしかならない。まずやるべきは、長期的な視野に立った国内リーグの強化。そして、海外からスカウトされるような選手の育成だ。近年のACLの結果を見ても、成果が出ているとは思えない。
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次回のワールドカップから、アジアの出場枠は4.5から8.5に増えた。厳しい言い方になるけど、前回までの方式ならインドネシアは最終予選に進出できなかったと思う。アジアレベルでもまだそこまでじゃないから、じっくりと強化していってほしいね。サッカーの人気は高いし、大いに盛り上がっているんだから。
国内のサッカーを盛り上げるという意味では、今回の代表戦も日本でテレビ中継がなかったのは残念だ。もちろん、DAZNがライブで配信してくれるのはありがたい。ただ、地上波でも放送してほしいよね。TBS系列で生中継されていた野球の「プレミア12」は国際大会だけど、規模で言えばサッカーのワールドカップには及ばないはずだ。
日本は次戦、19日に中国と対戦する。インドネシア同様、森保ジャパンにとっては明らかに格下の相手だ。今年の日本代表の最終戦、しっかりと勝ってワールドカップ本大会出場に向けて突き進んでほしいね。
【著者プロフィール】
セルジオ越後(せるじお・えちご)/1945年7月28日生まれ、79歳。ブラジル・サンパウロ出身。日系ブラジル人。ブラジルではコリンチャンスやパウリスタなどでプレー。1972年に来日し、日本では藤和不動産サッカー部(現・湘南ベルマーレ)で活躍した。引退後は「さわやかサッカー教室」で全国を回り、サッカーの普及に努める。現在は解説者として、歯に衣着せぬ物言いで日本サッカーを鋭く斬る。
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