身を粉にしてピッチを駆け回る姿に感動。インドネシア戦で“日本の着火剤”となったアタッカー【W杯アジア最終予選/コラム】

 2024年11月15日、日本が北中米ワールドカップ・アジア最終予選のインドネシア戦で勝利。苦しい時間帯がありながらも、35分にオウンゴールで先制すると、その5分後に南野拓実の一撃でリードを広げ、後半に守田英正、菅原由勢のゴールで加点と効率よく得点を重ねて勝点3を積み上げた(結果は4-0)。

 それなりにピンチもあった日本がそれでも無失点で乗り切れた一因は、途中出場した前田大然の奮闘がある。

 後半の頭、南野に代わって投入された前田は、3-4-2-1システムの左ウイングバックを担当。持ち前のスピードと切り替えの速さを主武器にオフェンスに絡みつつ、3バックの裏のスペースをケアした。

 ピンチになりそうな場面でスッと現れて危険なスペースを埋め、敵陣で相手ボールになればハイプレスで追い込む。さらに攻撃面で味方のスルーパスに反応してチャンスにも絡むなど、“ここにも前田が”との印象を残した。
 
 ゴールこそなかったが、こういう選手がいるとチームは活気づく。身を粉にしてピッチを駆け回る姿に感動したファン・サポーターは少なくないはずだ。後半、日本がやや勢いを失った時間帯にアグレッシブな守備で“着火剤”となったのは間違いなく彼で、彼の頑張りがチームメイトに勇気を与えたと言っても過言ではない。

 ピッチ上でチームを成り立たせるうえで、前田のような選手は不可欠。ゴールを決めたプレーヤーばかりにスポットライトを当てるのではなく、前田の奮闘にも拍手をおくりたい。

文●白鳥和洋(サッカーダイジェストTV編集長)

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