“念願の舞台”欧州CLで白星デビュー!石川祐希、世界最高峰リーグ王者の一員としてスタメン&白星発進に貢献「最後までコートに立てて満足」

 バレーボールの欧州クラブ王者を決定する2024-25シーズンCEVチャンピオンズリーグ(CL)の本戦が開幕。現地時間11月 3日に4回戦(4R)グループステージ初戦が行われ、男子日本代表の石川祐希が所属するシル シコマ モニーニ・ペルージャ(イタリア)がVK ジホストロイ・チェスケー ブジェヨヴィツェ(チェコ共和国)と対戦。セットカウント3-0(25-16、25-23、25-22)で白星発進した。

【動画】攻守で奮闘した石川祐希が欧州CL初戦白星に貢献! 本大会へ出場9回目となるペルージャの過去好成績は準優勝1回、ベスト4入りが5回。昨季に国内全タイトルと世界クラブ選手権で栄冠を手中に納め、残るタイトルはハイレベルなリーグが集結する欧州の頂点だ。CLでの活躍を願って注力するスポンサー名を表記したリーグ戦と異なるクラブ名で出場。大会専用に新調されたユニホームには、タイトル獲得への悲願が込められている。

 ペルージャの先発メンバーは、腹筋負傷から復帰して間もない司令塔のイタリア代表シモーネ・ジャンネッリに同代表ロベルト・ルッソとアルゼンチン代表アグスティン・ロセルの安定感抜群なミドルブロッカー(MB)コンビ、オポジット(OP)はキューバ代表ハイメ・エレーラリベロ(L)が元イタリア代表マッシモ・コラチ。OHはウクライナ代表オレフ・プロツニスキーとともに、重要な一戦目を控え3日前のリーグ戦で温存した石川が開始から起用され、念願の大舞台でデビューを飾った。

 対戦相手のチェスケー ブジェヨヴィツェは、2006-07シーズン以降のチェコリーグでトップ3入りを逃したのは1度のみで通算優勝11回を誇る同国名門クラブだ。昨季はCLで白星のないままこの4Rで大会を去ったが、リーグ優勝メンバーのセッターとOH1枚以外の主力に18歳のOPら2m越えの選手が揃う。

 第1セット、石川のCL初得点で一歩前に出たペルージャ。その石川とコラチのレセプションが乱れて連続エースを許し、序盤に一度リードを譲るが、以降はサーブで主導権を握り試合を先行した。

 2セット目はサーブミスが続いてリズムを作れず序盤に3点のビハインドを負う。しかし、石川のパイプ、レフト攻撃と悪球を3枚ブロックに吸い込ませる技ありの打球で一気に同点へ。接戦のまま突入した後半に、今度はジャンネッリの好守を生かすバックアタックで逆転に貢献する。終盤23-21でポーランド代表OHカミル・セメニウクとの交代でベンチに下がるが、チームは流れを手放さずセットを連取。

 第3セット開始からコートへ戻った石川は、終始リードを維持したまま迎えた終盤にレフトからブロックアウトを奪う一打でマッチポインを奪う。直後のサーブはネットにかかるも、ルッソの決勝弾でストレート勝利。停滞する場面が見られた試合内容ではあったが、ペルージャが世界最高峰リーグ王者の実力で押し切り白星で大会をスタートさせた。
  石川は決定率52%をマークしたアタックで11得点。試合後、地元メディアのインタビューに、「CL出場は僕にとって初めてのことでもあり、勝利できて嬉しい。今日は先発で最後までコートに立つことができて満足しています」とコメントした。
  この日行なわれたイタリア勢の試合は、アリアンツ・ミラノが2セットダウンからの猛攻で形勢を覆し、初戦白星。古巣の大逆転勝利と日本代表でチームメートの大塚達宣が先発出場したことを、撮影やサインを待つファンの元へ向かう石川に伝えると、「0-2から? 勝ったんだぁ。良かった!」と笑みがこぼれた。

 ペルージャの次戦は、中2日で開催されるホームでのリーグ前半8節グロッタッツォリーナ戦(日本時間11月17日午前3時30分開始予定)。試合翌日の現地日曜日を休養と調整に充て、月曜日にはアウェーでのCL2戦目へ向けてフランスへ移動する強行スケジュールが待ち受ける。

取材・文●佳子S.バディアーリ

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