Blackmagic Designによると、型破りなクリエイティビティーで映画賞を獲得したストップモーションの劇場作品「Memoir of a Snail(原題)」のグレーディングが、CSIのカラリスト、デイダー・”ディー”・マクレランド氏によって、DaVinci Resolve Studioで行われたという。
アカデミー賞受賞作家であり、ストップモーション・アニメーションの天才として知られるアダム・エリオット氏が脚本・監督を担当した同作は、カタツムリを集める変わり者のグレースが自分の生き方を見つける物語だ。「Memoir of a Snail」は世界中から高い評価を受け、2024年度アヌシー国際アニメーション映画祭の最優秀アニメーション映画賞、ロンドン映画祭の最優秀作品賞を受賞した。
同作のストーリーテリングは、明るいユーモアと暗いテーマを絶妙なバランスで表現する巧みなアプローチとなっている。
マクレランド氏は、次のようにコメントしている。
マクレランド氏:アダムとは過去に複数の作品で仕事をしたことがあり、今回の美しく作り上げられた作品に命を吹き込む仕事で再び声をかけられたのは光栄なことでした。
マクレランド氏は、エリオット氏と撮影監督のジェラルド・トンプソン氏と協力して、同作の風変わりなキャラクターたちとその環境を最適に映し出すルックの作成に取り組んだ。
マクレランド氏:スタジオに訪れてキャラクターや小道具を見ることができたのは、作品の方向性に加えて、広範囲の絵コンテ、シーンやロケーションごとの具体的なカラーパレットを把握する上で役立ちました。
マクレランド氏:場所ごとに独特なパレットでした。
例えばパリは、温かくノスタルジックに描かれていて、ソフトエッジのビネットが使用されており、ほぼセピア調の温かみを持っていました。対照的に、メルボルンは淡いグレーのトーンで抑制された感情が表現されていました。
ロマンチックなシーンはレンズで捉えられた特定のルックでした。いくつかのショットは意図通りのフィルターが適用されていませんでしたが、私がDaVinci ResolveのFXツールでそのルックをエミュレートできました。ブラーツールとソフトエッジのビネットを使用してロマンチックなルックを作成し、ショットに含まれる赤いものをトラッキング、キーイング、カラーワーピングで強調しました。
複数の部署にわたってルックを管理する上で、鍵となったのは一貫性だった。ポストプロダクション・スタジオのSoundfirmは、複数のVFXベンダーから送られてくるショットの一貫性を保てるようカラースペースを調整した。絶え間ないアップデートと綿密な調整により、土壇場での最終変更はいくつかあったものの、すべてがスケジュール通りに進行した。
マクレランド氏:DaVinci Resolveはプロジェクト全体にわたって必要不可欠でした。他の部署からアップデートが上がってきても、DaVinci Resolveのおかげで中断することなくグレーディング作業を続けることができ、スケジュール通りに進めることができました。
P3 DCPバージョンから、HDR/SDR Dolbyのトーンマッピング・バージョンまで、DaVinci Resolveのおかげですべて簡単に作成できました。