六年生vs天鬼の本気アクションから、ドクタケ忍者隊のライブまでリアルに体感!『劇場版 忍たま乱太郎 ドクタケ忍者隊最強の軍師』4DX版を体験してみた

映画公開から一ヶ月が過ぎ、動員数100万人&興行収入15億円を突破、勢いが衰えることなく大ヒット中の『劇場版 忍たま乱太郎 ドクタケ忍者隊最強の軍師』が、待望の4DX上映をスタート!今作はアクション要素も多いだけに、ファンからも期待の声が後を絶たない。そんな「忍たま」の世界にどっぷりと没入できる4DX上映を、いち早く体験したレポートをお届けしよう。


土井先生ときり丸の絆を丁寧に描き、大ヒット中の『劇場版 忍たま乱太郎 ドクタケ忍者隊最強の軍師』 / [c]尼子騒兵衛/劇場版忍たま乱太郎製作委員会
まずは、本作のあらすじを簡単に紹介。タソガレドキ忍者の諸泉尊奈門(もろいずみそんなもん)との決闘に向かった、忍術学園一年は組の担任、土井先生が行方不明となってしまう。山田先生と六年生による捜索が進められるが、なかなか消息を追える手掛かりが得られないでいた。四年生以下の生徒たちには、土井先生は出張中だと偽り、タソガレドキ忍者の雑渡昆奈門(ざっとこんなもん)が一年は組の授業を担当。そんななか、きり丸は、六年生が土井先生を捜索していることを知る。一方、土井先生を捜していた六年生は、ドクタケ忍者隊の不穏な動きの情報を入手し、ドクタケ忍者隊の詰所への潜入を試みると、土井先生にそっくりなドクタケ忍者隊の軍師・天鬼と遭遇。きり丸もその姿を目撃したことをきっかけに、一年は組は土井先生を取り戻すために行動を開始。戦の準備を進めるドクタケの砦への潜入劇が始まる。

■日常のコメディから不穏な戦、ドクタケ忍者隊のライブシーンまで!細部に生きる4DX効果


4DX版の風の効果により、手裏剣に追いかけられる尊奈門の臨場感まで伝わってくる / [c]尼子騒兵衛/劇場版忍たま乱太郎製作委員会

本作の4D的な特徴を挙げるとするならば、「効果マシマシの演出効果」。体感的に言うならば、筆者がこれまでに体験した4DX演出の中でも、まさに最上級レベル。座席は激しく動き、風、熱、ストロボ、香り、スモークなど体感演出がほぼフル活用されており、これこそが「忍たま」の世界への没入感に繋がっているのだ。

映画の冒頭では、かつて世に起こった戦乱の悲しき記憶を、倒れた藁人形や彼岸花、周囲を覆う炎などで表現するシーンから始まる。その不穏さを感じさせる雰囲気を絶妙なシートの揺れや、戦火による炎は温風による効果が加わることで、映画の世界へと引き込んでくれる。


「忍たま」の十八番!テンポよく繰り広げられるコメディもたっぷり / [c]尼子騒兵衛/劇場版忍たま乱太郎製作委員会
本編が始まってまず驚かされるのは、「忍たま」らしいコミカルな日常シーンと4DX演出の相性の良さ。基本はギャグとコメディで構成されている「忍たま」は、ズッコケシーンが満載なのだが、今回はキャラたちのズッコケに合わせてシートが振動する仕様になっている。キャラたちが派手に転がるようなドタバタ感に合わせてシートが動き、自分も「忍たま」の一員になったような感覚を味わうことができるのだ。なかでも印象的なのは、きり丸の特技「聞き耳頭巾」が発揮されるシーン。耳がどんどん伸びて木々の間をすり抜けていく動きに、シートの動きがリンクしたライド感覚は、まさかのきり丸の耳の視点であり、こうしたシート演出の妙に笑わせられることは必至だ。


まさかの”きり丸の耳”になった気分が味わえる?! / [c]尼子騒兵衛/劇場版忍たま乱太郎製作委員会
また、お菓子を目の前にするシーンでは、ほんのりと香りが漂う演出が加わり、しんベヱの食べ物を前にした喜びにリンクして、嗅覚の面でも没入感がアップ。さらに香りと言えば、一瞬だけ顔を見せる四年生の滝夜叉丸先輩や、大人気の六年生たちによる初登場シーンでもいい香りが漂うという「わかってらっしゃる」的なサービスが。


滝夜叉丸先輩の登場シーンでは馨しい香りが! / [c]尼子騒兵衛/劇場版忍たま乱太郎製作委員会

忍術学園の授業シーンで、授業中に尊奈門が冷や汗を流す場面では、水滴となった汗が飛び散る水しぶき演出なども入り、各シーンの印象が格段に深まっているのも特徴だ。コメディシーンの最たるポイントと言えば、中盤で披露される「愛と正義のドクタケ忍者隊」の歌唱&ダンスシーン。妙に頭に残るダンサブルな楽曲が流れるこのシーンでは、ストロボが瞬き、ビートに合わせてシートが振動、キラキラとした雪のパウダーが舞い、まさにライブ上演のような演出が!気合いの入ったダンスの作画にピッタリと合う4DX演出は「やりすぎだよ!」とツッコミを入れたくなるほどの満足感だ。


気合いが入りすぎていておもしろい、ドクタケ忍者隊ライブシーン / [c]尼子騒兵衛/劇場版忍たま乱太郎製作委員会

■これぞ4DXの醍醐味!手練れの忍者たちによる本気アクションの臨場感を肌で感じる


土井先生に瓜二つの風貌で六年生に相対する、ドクタケ忍者隊の軍師・天鬼 / [c]尼子騒兵衛/劇場版忍たま乱太郎製作委員会

本作で最重要ともいえるアクションシーンでも、4DX効果が最大限に発揮!普段のテレビシリーズにおいてシリアスなアクションシーンは少ないが、劇場版では土井先生や六年生の、普段は見せない忍者としての実力を存分に味わえるのが本作の見所。そして、その忍者アクションに4DX演出が加わることでリアリティがさらにアップ!

本作のアクションシーンは、物語のきっかけとなる土井先生と尊奈門の決闘から幕を開ける。手裏剣や刀による斬りつけの回避を、シートに仕込まれたエア噴射演出が作用することで、顔ギリギリで攻撃を避ける緊迫感を高める。さらに土井先生が出席簿で攻撃をかわしたり、剣戟アクションではストロボが効果的に光り、それに合わせて細かく振動するシートの演出によって、自分が斬り合いに参加しているような雰囲気を味わうことができる。


冒頭からスクリーンにくぎ付けになる、土井先生と尊奈門の決闘シーン / [c]尼子騒兵衛/劇場版忍たま乱太郎製作委員会
そして、忍者アクションの要となるのはファンによる送風演出。例えばジャンプで移動する際には、滞空時間の長さを感じさせるシートの動きと絶妙な加減の風によって、高く飛び、落下の風圧を感じるような演出に。その演出効果によって、脚力を鍛えて高くジャンプする忍者の動きをよりリアルに体感することができる。


ここでも本気を出さない土井先生の、能力の高さが垣間見える / [c]尼子騒兵衛/劇場版忍たま乱太郎製作委員会
また演出効果によって、忍者たちの微妙な実力差を映像と共に感じさせてくれるのもポイント。本作では、土井先生と尊奈門、天鬼と六年生、雑渡と利吉たちプロ忍者によるバトルが描かれているが、実力者の動きのスムーズさや余裕が4DX演出によって変化が付けられており、細かなアクションが満載の忍者バトルはまさに4DX向きだと言えるだろう。


【写真を見る】顔スレスレに飛んでくる手裏剣や爆発のスモークまで!『劇場版 忍たま乱太郎 ドクタケ忍者隊最強の軍師』4DX版の見どころをたっぷりレポート! / [c]尼子騒兵衛/劇場版忍たま乱太郎製作委員会
なかでも前半の大きな見所となる天鬼と六年生のバトルでは、シートの動き、エア、ストロボ、送風に加え、出血シーンでは水しぶきの効果が付くという4DX演出をフル使用。リミッターの外れた土井先生=天鬼の実力の高さと、忍術学園で訓練を積んだ最上級生たちによる本気バトルの緊張感が、4DX効果によりダイレクトに伝わってくる。立花仙蔵による宝禄火矢と鳥の子を用いた爆発&煙幕も、スモークとストロボを使って表現されており、まるでその場にいるかのような臨場感を堪能することができるのだ。


目まぐるしい戦闘シーンでは、六年生たちの緊張感が伝わってくる / [c]尼子騒兵衛/劇場版忍たま乱太郎製作委員会

■は組の生徒たちのドタバタ感を一緒に体験!コメディとシリアスの対比も4DXならでは


は組の一員になったよう。肌で感じるドタバタ劇には思わず笑いも? / [c]尼子騒兵衛/劇場版忍たま乱太郎製作委員会

4DX演出が効いたアクションシーンで次に注目したいのは、一年は組によるドクタケの出城での奮闘シーン。出城にうまく忍び込んだものの、ドクタケ忍者に見つかって追いかけられ、俵に入ったまま斜面を転がり落ちる逃走劇は、忍者アクションとは違った激しい揺れが続くドタバタシーンとなっている。一年は組の巻き込まれ感と見事にリンクして、過剰なほどに揺られまくるシチュエーションは、そのハードさに思わず笑ってしまうほど。そして、シリアスとギャグというテイストの異なるアクションシーンの演出の違いを味わえるのも「忍たま」らしさと言えるだろう。


ボケとツッコミのバランスが完璧な、八方斎と3人組のやりとりも健在 / [c]尼子騒兵衛/劇場版忍たま乱太郎製作委員会
そして、クライマックスとなる砦での戦いと、乱きりしんによる土井先生捜索シークエンスでは、ドタバタアクションと忍者アクションが交互に繰り広げられ、4DX演出もまさに最高潮。砦内を撹乱しながら、捕まっている一年生を助けるべく行動する六年生と五年生の活躍、タソガレドキの命運を担って天鬼を仕留めようとする雑渡と、それを止めようする利吉&桜木清右衛門&若王寺勘兵衛によるバトル、そして食べ物の匂いに惹かれて爆走するしんベヱ。このいい意味でカオスな盛り上がりも、ぜひ4DXで味わってほしい。


失踪した土井先生を心配するきり丸と、それを支えるは組の生徒たちの絆に涙… / [c]尼子騒兵衛/劇場版忍たま乱太郎製作委員会
そんな白熱のシーンがあるからこそ、土井先生ときり丸との関係を中心とした、静かな心の交流シーンがまた印象に残るのも、ある意味「忍たま」らしいと言える。そして、絶妙なタイミングでかかるテーマ曲「勇気100%」は、思わずリズムを取りたくなる気持ちを察してくれるかのように、振動するシートの動きが加わっているので、通常上映とは違った心地良い終映を迎えることができるのもポイント。これからもう一度本作を楽しみたいと思っているならば、ぜひ4DXをオススメしたい。もちろん、初見の人にもやさしいストーリーなので、ぜひ深い没入感で「忍たま」の世界を味わってみてほしい。

文/石井誠