猫が「つい吸いたくなる」もの5選
1.毛布・ブランケット・タオル
厚手でふかふか、柔らかくて温かい布製品は、猫にとって非常に魅力的。母猫のおっぱいを吸うように、ふみふみしながら毛布を吸う姿は子猫そのものです。
2.ニット/セーター/柔らかい衣服
ウールやニット、フリースなど、肌触りが柔らかく、少し毛羽立ちがある素材は、猫の“吸いたい欲”を刺激しやすいようです。
ウールに関しては、ラノリンと呼ばれる羊毛の脂質などに反応して起きるとも考えられています。
3.ぬいぐるみや布製おもちゃ
毛布ほど大きくない、ふわふわで柔らかいぬいぐるみや雑貨にも、吸いついてしまう子がいます。母猫のおっぱいのような安心感を与えるのかもしれません。
4.飼い主の服(シャツ、パジャマ、布団カバーなど)
飼い主の匂いや体温が残る布は、猫にとって“安心できる母猫や家族”を思い出させるトリガーになりがち。
ほかにも、飼い主の指そのものに吸いついてしまう子もいます。
5.その他:古いタオル、布団、クッション、マフラーなど
形や用途は様々ですが、「柔らかく」「暖かく」「ふかふか」という条件を満たす“布地”は、猫の好みに合いやすいようです。
なぜ猫は“吸いたくなる”のか?
猫が布や衣類を吸いたくなる行為、これをウールサッキングとも言いますが、その行動の背景には、以下のようにいくつかの心理的・生理的な要因が考えられます。
母乳を飲んでいた子猫期の名残
生まれて間もない子猫は、母猫の乳を求めて吸ったり、母猫の腹を「踏む(=「ふみふみ」)」をしたりします。
この「吸う」「ふみふみする」という行動は、子猫にとって母とのつながりや安心感を得る重要な行動です。
たとえ離乳後であっても、その時期に強く刻まれた「安心・安全・暖かさ」という感覚を、柔らかい布や服が思い起こさせるのかもしれません。
ほかにも、「習慣化」しているケースも考えられます。
自分自身を安心させるため
猫は布を吸ったりふみふみしたりすることで、自分を落ち着かせたり安心させたりするケースがあります。
特に毛布やタオル、ぬいぐるみなど柔らかくて暖かい素材は、落ち着きをもたらすにはちょうどよいのでしょう。
こういった行動はストレスや不安を感じたとき、あるいは環境が変化したとき(引越し、新しいペットや家族の追加、生活の変化など)に出やすいとも言われています。
遺伝的、品種的な傾向
一部の猫の品種、例えば「オリエンタル系(例:シャム、バーミーズなど)」は、ウールサッキングをしやすい傾向があります。
子猫期の“早期離乳”による影響
子猫が母猫から早く離され、十分に授乳期間を過ごせなかった場合、“吸う”という行動が未消化のまま残ることがあります。
なぜ早期離乳が原因でウールサッキングが起こるのか、詳しい理由は証明されていません。
しかし子猫期に保護された、あるいは母猫と過ごした期間が短かった猫は、こうした行動が成猫になっても続く場合が多いようです。
ストレス・不安・環境変化への反応
猫は環境や生活リズムの変化、飼育環境のストレス、他のペットとの関係などで不安を感じると、それを和らげるために布を吸うことがあります。
これは人がストレス時に爪を噛んだり、髪をいじったりするような行動に近いのかもしれません。

