面倒な食器洗いを自動化できる「食洗機」。ファミリーはもちろん、一人暮らしでも時短になり役立ちます。ただ、食洗機というと「手洗いよりもお金がかかる」「電気代が大変」などといわれることも。これは本当なのでしょうか。

今回は、食洗機と手洗いとでの、洗浄にかかるコストを比較します。食洗機を導入するか迷っている方はぜひご覧ください。

食洗機と手洗いにかかる光熱費、その差はいくら?


コンパクトサイズの卓上食洗機
【画像出典元】「polkadot- stock.adobe.com」

食洗機と手洗いではどちらの方がコストがかかるのでしょう。

参考例を紹介します。5人分相当の食器を、パナソニックが販売するレギュラータイプの食器洗い乾燥機「NP-TZ300」で洗った場合と、手洗いした場合のコストを比較したものです。

◆NP-TZ300(汚れレベル3)の場合
洗剤代・・・約3.6円(約5g)
電気代・・・約23.9円(約770Wh)
水道代・・・約2.9円(約11L)
1回あたりの経費・・・約30.4円(1年で約2万2200円)

◆手洗いの場合
洗剤代・・・約4.9円(約9.6mL)
ガス代・・・約28.4円(約0.17㎥)
水道代・・・約19.6円(約75L)
1回あたりの経費・・・約52.9円(1年で約3万8600円)

パナソニック「エコ【レギュラータイプ・スリムタイプ共通特長】」より

ご覧のように、食洗機は手洗いよりも1回あたりの経費が約22円安く、年間光熱費は約1万6400円安くなっています。

NP-TZ300の本体価格はオープン価格で、価格.comでの新品価格は10万円前後で推移しています。仮に本体購入価格を10万円とした場合、約6年間(10万円÷1万6400円)で本体代が回収できることになります。

経済産業省によれば、食洗機のほうが約7949円お得

もう一つの参考値として、経済産業省北海道経済産業局の「実践!おうちで省エネ」のシミュレーションデータも見てみましょう。

◆食洗機の場合
年間で、電気525.20kWh、水道10.80㎥、光熱費約2万2791円

◆手洗いの場合
年間で、ガス81.62㎥、水道47.45㎥、光熱費約3万740円

経済産業省北海道経済産業局「実践!おうちで省エネ」より

やはりこの比較データでも、手洗いよりも食洗機の方がコストを抑えられており、年間光熱費は約7949円安い計算となっています。

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食洗機をお得に使いこなすテクニック


食洗機に食器を入れる女性
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食洗機は使い方次第で、電気代や水道代をさらにカットすることができます。ここでは食洗機の節約テクニックを紹介します。

乾燥時間を少なく設定する、使わない

食洗機は洗浄後、「乾燥」を行うことができますが、乾燥時には電力を多く消費します。たとえば前述したパナソニックの「NP-TZ300」では、モーターの消費電力は65~85Wですが、ヒーターの消費電力は1100Wとなり、大きな差があります。

このため、電気代を節約するためには、乾燥工程にかかる電気代を節約することがポイントとなります。まずは乾燥時間をできるだけ少なく設定しましょう。

さらにいえば、あえて乾燥機能は一切使わず、自然乾燥させるのも手です。洗浄終了後に扉を開けておけば、余熱で自然乾燥していきます。乾燥機能を使うよりも時間はかかりますが、ヒーターを使わない分、電気代を大きく削減できます。

まとめて洗う


食洗機の稼働中の庫内
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お皿やコップを数個だけ入れ、ガラガラの状態で食洗機を稼働させるのは、結果的に電気代の無駄になってしまいます。節約する上では、指定の容量上限まで食器を入れ、まとめて洗うのが効果的です。

ただし、無理に入れ過ぎると洗浄に時間がかかり、電力や水が余計に必要になってしまうことがありますので、加減には注意してください。

取れる汚れは落としておく

お皿についた食べ残しや頑固な汚れなどは、軽く洗ってから食洗機に入れることで節約になります。食器の汚れが酷いまま食洗機に入れると、稼働時間も長くなるため、電気や水を多く消費します。

電力単価が安くなる時間帯を狙う

たとえば「夜間電力プラン」を契約している場合、電気料金の安くなる深夜帯に食洗機を稼働させることで節約になります。時間帯プランは、食洗機だけでなくすべての家電に影響しますので、生活リズムに合った電力プランに見直すことも節電をする上で大切なポイントです。