年収300万円・500万円・1000万円で還付金額をシミュレーション

医療費控除は「所得控除」の1つです。医療費控除のほかに社会保険料控除や基礎控除などがあります。所得税はこういった所得控除を差し引いた「課税総所得金額」に、その金額に応じて5~45%の税率を乗じて税額を求めます。よって、年収300万円、500万円、1000万円それぞれの課税総所得金額を算出したものが以下です。

<会社員・独身>

※健康保険料、厚生年金保険料は協会けんぽの保険料率を用いた概算
※その他所得控除は考慮しない

所得税は課税総所得金額に以下の超過累進税率を乗じて税額を算出します。

<所得税の速算表>

速算表:国税庁HPを参照し筆者作成

<年収300万円の場合>

社会保険料控除と基礎控除を控除した課税総所得金額は113万円となりました。所得税の速算表より、適用される税率は5%です。

仮に30万円の医療費を年間で負担したとします。医療費控除の対象は30万円-10万円=20万円となります。この20万円を「課税される所得金額」から控除することができます。

上記の計算より、56,5000円-46,5000円=1万円が確定申告(還付申告)で戻ってくる金額となります。

続いて、年収500万円、1000万円も同じように年間負担した医療費が30万円(医療費控除対象額:20万円)でどれだけ税金が戻ってくるか概算しました。

<年収500万円の場合>

戻ってくる金額は2万円となります。

<年収1000万円の場合>

戻ってくる金額は4万円となります。

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「医療費控除額×税率」が還付金額の目安に 


健康保険証、領収証と電卓
【画像出典元】「stock.adobe.com/Shanti Photo」

同じ医療費でも、年収300万円の場合は1万円、年収500万円の場合は2万円、年収1000万円の場合は4万円と年収が多くなるほど戻ってくる金額も多くなります。これは適用される税率の違いです。

年収300万円は速算表の税率5%、年収500万円は税率10%、年収1000万円は税率20%が適用されます。よって医療費控除が適用されることで医療費控除×税率分だけ所得税額が減り、その分が戻ってくる金額となるのです。

今回、年間30万円の医療費で試算をしましたが、40万円と50万円の場合は以下のようになります。

<医療費控除によって戻ってくることが見込まれる所得税額>

所得税は超過累進税率であるため医療費控除により速算表の階層が一段階下がった場合、単純に税率分だけ医療費控除で戻ってくるわけではありません。今回はそのようなケースは想定していません。