シェフレラの育て方
管理場所と温度
シェフレラは管理が比較的容易な観葉植物ですが、適切な環境で育てることが大切です。
管理場所
シェフレラは耐陰性があるため、あまり陽が入らない環境でも育てられますが、植物なので光は好みます。理想的な場所は間接光が当たる明るい窓辺や、レースのカーテン越しに日光が入る場所。
風通しを良くすることでさらに健康的に成長します。
特に斑入りの品種は、上記の環境で育てることで斑を綺麗に保ち、美しさを維持することができます。
ただし、どの品種も直射日光に長時間さらされると、葉焼けを起こす可能性があるため注意が必要です。
温度
シェフレラは熱帯原産の植物で、温暖な環境を好みます。
最適な温度範囲は18℃から26℃です。
この範囲内で管理することで、シェフレラは元気に育ちます。
寒さに弱いため、冬場は最低でも10℃以上を保つようにし、窓際などの冷気が入る場所やエアコンの温風が直接当たる場所は避けてください。
夏は35℃を超えないようにし、エアコンの冷風が直接当たらない場所で管理します。
急激な温度変化はストレスとなり成長に悪影響を及ぼす可能性があるので、なるべく安定した温度環境を維持することが大切です。
水やりと葉水
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水やり
シェフレラは湿り気を好みますが、過度な水やりは根腐れの原因となります。
基本的には土の表面が乾いたら水を与えます。
慣れていない方は水分計を使うことで土の中の水分がわかり、水のあげどきが見極められます。
春から秋にかけては1週間に1回程度、冬場は10日に1回程度が目安ですが、水やりの頻度は気温や環境によって変わるため、日々観察し土の状態を確認することが大切です。
季節問わず、水やりの際は鉢の底から水が流れ出るくらいたっぷりと与えます。
これにより根全体にしっかりと水がいき渡ります。
受け皿に溜まった水は根腐れの原因になるので必ず捨てるようにしてください。
湿度管理(葉水)
シェフレラは乾燥を嫌い湿気を好む植物です。そのため乾燥した室内では葉水を与えることで適度な湿度を保ち、葉に潤いを与えることができます。
また、葉水は害虫予防にも効果的です。
葉水は、スプレーボトルで葉の表裏に軽く水を吹きかける方法で行います。
冬場のエアコン使用時など、特に乾燥する季節は葉水をこまめに与えることにより、葉の光沢を維持し植物全体の健康も保つことができます。
肥料/活力剤等
肥料は、生長期である春から秋にかけて与えるのが理想的です。
緩効性肥料を使用する場合は土の表面に適量を撒き、軽く混ぜることで長期間にわたり栄養を供給できます。
液体肥料を使う場合は2週間に1回、規定の希釈倍率で水やりの際に与えるとよいでしょう。
冬場は植物の生長が鈍くなるため、施肥は控えめにし、1カ月に1回程度か、あるいは施肥を行わなくても大丈夫です。
過剰な肥料は根を傷める原因になるため、肥料の使用法に明記された適量を守るようにしましょう。
剪定
剪定する際は、株の健康が保たれるように、まず枯れた葉や枝、病気の兆候がある部分を取り除きます。
次に、全体のバランスを見ながら伸びすぎた枝や不要な枝を剪定し、形を整えます。
最後に、剪定後は新芽を促すために「トップジンMペースト」などの殺菌剤を用いて切り口を消毒します。
剪定を行うことで株全体の健康も維持され、見た目も美しく整えることができます。
挿し木によるシェフレラの増やし方
シェフレラを増やすには、挿し木がおすすめ。
挿し木は、切り取った挿し穂をそのまま用土に挿して発根させる方法と、水耕栽培し発根させてから用土に植え替える方法の、2通りがあります。
後者のほうが比較的早く発根します。
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シェフレラの挿し木は、春から夏にかけて行うのが最適です。
挿し木に使う木(挿し穂)は元気な枝を選び、茎を4〜6cmほどの長さでカットします。
切る際はコンロやライターなどで殺菌した清潔な刃でカットし、カットした挿し穂の切り口に、根が出るまでの期間を短縮するためにルートンなどの発根促進剤を塗布することもおすすめです。
挿し穂は市販の挿し木用の用土や水耕栽培(写真上)で育てますが、ともに湿度を保つようにします。
10〜14日ほど経ったら挿し穂の切り口から発根するので、その新しい根が十分に成長したら新しい鉢に植え替えて管理を続けます。
植え替え
Pix:Tatiana Foxy/Shutterstock.com
シェフレラの植え替えは、春から初夏にかけて行うのが最適です。
この時期は植物が新しい土に適応しやすく、根の成長が活発になります。
植え替えの準備として、まず新しい鉢を用意します。新しい鉢は現在の鉢よりも一回り大きいものを選び、底に排水用の穴があることを確認します。
土は通気性が良く、排水性の高い観葉植物用のものを使用します。
植え替えの手順は、まずシェフレラを現在の鉢から優しく取り出します。根が鉢に詰まっていてなかなか抜けない場合は、慎重にほぐしながら取り出します。
次に、根が健康かどうかを確認しながら、傷んでいる部分や腐った部分を清潔なカッターなどで取り除きます。ちなみに健康な根は白い色をしています。
最後に、新しい鉢の底に少し土を入れ、その上にシェフレラを置きます。
根が鉢の中心にくるように調整し、周りに土を追加して指で馴染ませれば植え替えは完了です。
植え替えた後はたっぷりと水を与えて土をしっかりと湿らせます。これにより、土が根に密着し、安定するのを助けます。
また、水を与える際に活力剤のメネデールを規定量希釈して与えると、発根促進効果が期待できます。
その後は、直射日光が当たらない明るい場所に置き、過度な湿度や乾燥を避けて管理します。
新しい環境に適応するまでの数週間は、過度な施肥や水やりを控え、植物の様子を見ながら調整します。
これらの手順を守ることで、シェフレラは新しい鉢でも元気に成長し、美しい葉を保つことができます。
病害虫
シェフレラを育てる際には、いくつかの病害虫に注意する必要があります。
アブラムシ
まず注意してほしいのがアブラムシ。
アブラムシは葉の裏側や新芽に集まり、葉の栄養分を吸い、植物の生長を妨げます。
放置すると植物全体に影響を及ぼす「すす病」を引き起こすこともあります。
ハダニ
ハダニにも注意が必要です。
ハダニは、小さな赤い点や葉の色が変わることが特徴で、乾燥した環境で発生しやすいため、適度に葉水を行うなど湿度管理が重要です。
うどんこ病
過湿状態が続くとうどんこ病という真菌感染症へのリスクが高まります。
万一感染した場合は白い粉状の斑点が葉に現れ、株全体のスタミナが奪われます。
これらの病害虫は、風通しのよい環境を保つことや、適切に葉水を与えたり、日々観察することで予防できます。
万一病害虫が発生した場合は、できる限り早期に殺虫剤や殺菌剤を用いるなど、適切な対策を講じることが大切です。
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オザキフラワーパークのおすすめシェフレラ7選
「僕もシェフレラを育てています」と、シェフレラLOVEの後藤さん。
毎回さまざまなおすすめ観葉植物をチョイスしていただいているオザキフラワーパーク後藤さん。
実は後藤さん、「一番好きな観葉植物は何ですか?」との問いかけに「それはもうシェフレラでしょう!」と間髪入れずに即答するほどのシェフレラ好き。
写真上は後藤さん所有のご自慢のシェフレラですが、シェフレラらしい可愛い葉と、グネグネと曲がった幹がとても印象的な良株をお持ちですね。さすがです!
そんな後藤さんに今回はおすすめのシェフレラを選んでいただきました。
テーブルサイズの小さな株から、リビング映えする大きな株まで幅広くピックアップしてあるので、お気に入りの株がきっとみつかるはずです。
※下記の商品をお求めの際は、事前に店頭在庫をご確認ください。
シェフレラ・マルコ
縦130cm(鉢含む:以下同) 広がり幅65cm 鉢幅24cm 価格7,800円(税込)
丸く大きな葉が可愛らしいマルコは、シェフレラ・アルボリコア・ホンコンという品種の変種です。
葉の一枚一枚が優しい丸みを帯びているため、一般的なシェフレラよりもマイルドな印象ですね。
この株は、根本付近の幹からタコの足のようにいくつもの根が出ていますが、これは気根といい、空気中の水分を取り込んだり株自体の自立をサポートする役割を果たしています。
これだけ気根が出ていると、部屋が熱帯ジャングルのような雰囲気になりますよ。
シェフレラ・グランディー
縦110cm 広がり幅40cm 鉢幅21cm 価格6,800円(税込)
美しい斑模様の入ったグランディーは、曲げ仕立てタイプの幹でとても存在感があります。
写真の株は現在はバランスよく自立していますが、曲げ仕立てタイプは成長によりバランスが悪くなり倒れやすくなることもあるため、この場合、厚めのテラコッタやセメントなど、ちょっと重めの鉢への植え替えがおすすめです。
シェフレラ・レナータ
縦25cm 広がり幅20cm 鉢幅9cm 価格680円(税込)
葉の先に切れ込みが入っているのが特徴のレナータ。
葉の形がハートに見えるため「ハートリーフ・ツリー」や、金魚の尾ヒレにも見えるため「ゴールドフィッシュ・フィン(金魚葉カポック)」などと呼ばれることも。
写真の商品はテーブルサイズなので、室内のどこにでも置くことができ、気軽にシェフレラの清涼感を楽しむことができます。
シェフレラ・コンパクタ
縦40cm 広がり幅30cm 鉢幅10cm 価格1,980円(税込)
シェフレラの代表的な品種のコンパクタ。
園芸店で単に「シェフレラ」という商品名で販売されている場合、このコンパクタであることが多いです。
成長は遅めで、上に伸びていくというよりもバランスよく横に広がっていき、節も太く詰まった感じになるため、名前の通りコンパクトな樹形を長く楽しむことができます。
どこか盆栽っぽい雰囲気もあるため、信楽焼などの和鉢にもマッチしますよ。
シェフレラ・アルファー
縦50cm 広がり幅35cm 鉢幅12cm 価格1,980円(税込)
アルファーは、オーストラリア原産のシェフレラ・アクティノフィラムの改良品種で、比較的最近市場に出てきた新種のシェフレラです。
原種は高さ15mくらいになり、開花後にできる果実はカンガルーなどの有袋類の貴重な栄養源となっていますが、アルファーは園芸用に改良された品種のため、開花せず、高さも1〜2mといったところまでしか成長しません。
シュッとした葉がとてもスタイリッシュで、昨今ジワジワと人気が出始めた“知る人ぞ知る”シェフレラです。
シェフレラ・トライアンギュラリス
縦35cm 広がり幅25cm 鉢幅10cm 価格2,480円(税込)
トライアンギュラリスと、何やら恐竜のような名前ですが、これ、私後藤が今最もおすすめする品種です!
見てください、この可愛らしい縦型ハートの葉! 前出のレナータと同じく、「ハートリーフ・ツリー」とも呼ばれているのですが、レナータよりも幹が横への広がっていくため、剪定しながら樹形を作り込むという楽しみ方もできます。
オザキフラワーパークに入荷するトライアンギュラリスはナーセリーさんがかなり凝って作っているので、入荷したら比較的早く売れてしまう人気商品!
それでいて価格が2,480円ですから、コスパは最高だと思います。
大型シェフレラの後藤さんおすすめコーディネート
縦195cm 広がり幅80cm 鉢幅30cm 価格16,000円(税込)
+
鉢カバー(FRP製) 高さ39cm 鉢径38cm(内径36.5cm) 価格9,680円(税込)
=25,680円(税込)
シェフレラの代表的品種であるホンコン・カポックの大型株を、合成樹脂(FRP)製の鉢カバーで合わせてみました。
シェフレラの個性を邪魔せずに引き立てるシンプルな黒が、どんなインテリアにもマッチします。