まだまだ残暑が厳しい9月ですが、ガーデニングではこの時期から来春のことを考える必要があります。チューリップの球根は今が買いどき。球根を植えるのはもっと先のことですが、人気の品種は今のうちに確保しておかないと、気づいたときにはsold outになっていることも珍しくありません。買い逃しがないよう今月は来春の庭計画&お買い物を進めましょう。鳥取県米子市でクリニックの庭を丹精する面谷ひとみさんにチューリップのおすすめコーディネートを伺いました。

チューリップの球根の買いどきと植えどきは別

チューリップは花をさほど知らない人でも春らしさを感じる花です。季節感の演出には欠かせない花なので、クリニックの庭では小道の両側に沿ってたくさんのチューリップを植え、待合室から見えるメインガーデンも毎年趣向を変えたチューリップガーデンにしています。球根は十分寒くなってから植えないと、土の中で球根が腐ってしまったり、早く芽が出てしまうので、この庭では年を越して1月になってから植えています。ただし、球根を買うのは今。人気品種はのんびりしているとすぐにsold outになってしまうため、早めに入手し、家の涼しい場所で植えどきになるまで保管しておきます。

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チューリップの原種系はコスパ優秀、園芸品種は豪華絢爛


左は原種系チューリップの‘レディージェーン’、右は園芸品種の‘ブラックパーロット’。Sebastian 22、KrisJacques/Shutterstock.com

チューリップには大きく分けて「原種系」と「園芸品種(改良種)」があります。園芸品種のほうが圧倒的に種類が多く、八重咲きやフリンジ咲き、花弁が波打つパーロット咲きなどおしゃれで豪華なものもたくさん! ただ、こうした品種特性は基本的に一年限りで、植えっぱなしにして翌年咲く確率は低く、咲いたとしても花が小さくなったり、色が違っていたり、前年と同じように咲くとは限りません。ですから園芸品種は一年草として扱うことが多いのに対し、原種は植えっぱなしで何年も同じように咲いてくれるのでコスパ優秀です。ただし、原種は品種数が限られ、園芸品種のような大輪で豪華なものはなく、素朴で愛らしい雰囲気が特徴です。それぞれによさがあるので、私は庭の場所の雰囲気に合わせて、原種も園芸品種もどちらも植栽して楽しんでいます。