自由でそれなりに楽しいけれど…【ミッドライフクライシス】50代独身女性が抱える今と老後の不安

「50代からの女性のための人生相談」は、専門家の方に読者のお悩みにお答えいただくQ&A連載です。今回は、50歳女性の「独身女性の生き方」についてのお悩みに、仏教の教えをわかりやすく説いて「穏やかな心」へ導く住職・名取芳彦さんが回答します。

50歳女性の「独身女性の生き方」についてのお悩み

両親ともに他界しています。妹がいますが、結婚して遠方に住んでいます。親戚はいません。10年以上前に離婚して以来、一人で暮らしています。

自由で楽しいのですが、最近老後が少し不安です。かと言って、今さら誰かと暮らせる気がしません。

幸い、友達は多い方だと思います。旅行やカラオケなどして遊んでいます。

このまま60代になっても大丈夫でしょうか。アドバイスよろしくお願いします。

(50歳女性・K.Kさん)

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名取芳彦さんの回答「厄介なことにも、嫌な顔をしない」

 今、あなたは、自由で楽しい生活をしていらっしゃるのですね。それは結構なことですね。

自分を励ますために私が書いた言葉に「好きなことをしているのなら、嫌な顔しなさんな」があります。好きなことをしているのに嫌な顔をする人はいないだろうと思うかもしれませんが、この言葉にはもう少し深い意味があります。

好きなことをするときに出合う“厄介なこと”にも、嫌な顔をしないという意味です。

友達が多いのは頼もしい限りですが、多ければ考え方に違いがある人も多くなります。それを予想しておけば、ギクシャクした関係になった人がいても「これだけ友達がいれば、そういうこともあるな」と笑っていられるでしょう。

旅行に行けば、店先で売っている食べ物の値段が高いこともあるでしょう。そんなときも「これで観光地が成り立っているのだから仕方がない」とニッコリと財布を開きたいものです。お金をもらうときだけでなく、払うときも笑顔でいるのが人生後半の生き方でしょう。

カラオケで歌いたい歌を先に歌われてしまうこともあるでしょう。そんなときも「この歌には魅力があるんだな。私の感性も捨てたものじゃない」とニッコリしていたいものです。