秋に起こりやすい株価暴落
秋は歴史的に米国株が暴落しやすい時期として知られています。リーマンショックは2008年9月、ブラックマンデーは1987年10月、そして世界大恐慌(暗黒の木曜日)は1929年10月に発生しました。
秋に暴落が起こりやすい理由の一つは、金融機関やファンドの決算期が11~12月に集中しているため、利益確定売りが増加するからです。特に、現在のように株価が高値圏にある状況では、手仕舞い売りが加速しやすい傾向があります。
「手仕舞い売り」とは、投資家やファンドマネージャーが保有している株や金融商品を売却して、ポジションを解消することを指します。通常、利益が出ている状態でその利益を確定させるために売却しますが、時には損失を最小限に抑えるためにも行われます。特に、決算期前や株価が高値圏にあるときに行われやすく、リスクを抑えるための一環として行動することが多いです。
このような売りが増えると、株価が下がりやすくなり、秋に暴落が起こりやすい要因の一つと考えられています。
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株価暴落のメカニズム
株価の暴落に悩む男性
【画像出典元】「stock.adobe.com/takasu」
株価の暴落は多くの場合、投資家の心理が悪化することで発生します。リスクイベントが発生すると経済の先行きに対する不透明感が高まり、不安を感じた投資家が保有株を売却。その売りが他の投資家の不安心理をさらに高め、売りの連鎖を引き起こし、世界中の株価が暴落するというサイクルが生まれるのです。
近年、テクノロジーの発展により世界の株式市場が電子取引システムでリアルタイムに結びついているため、一国での暴落が瞬く間に他国へと波及するリスクも高まっているといえるでしょう。