自分のマネー・パーソナリティ=「マネー性格(お金の性格)」を知っているだろうか? お金の使い道や管理方法など、いわゆる金銭感覚はその人の性格や自己評価に左右され、一般的に七つのタイプがあるといわれている。自分の「マネー性格」を知っておくと、上手なお金との付き合い方や貯蓄や投資などに役立つそうだ。マリ・クレール インターナショナルの英国版デジタル記事よりお届け(一部省略)。
自分の「お金の性格」のタイプを知ることで、将来、よりよい経済的な決断ができるようになるかもしれない。
家賃、請求書、誕生日、バチェロレッテパーティー、仕事の後の飲み会、地下鉄の利用など、月単位、週単位、ときには日単位で支払わなければならない金額に圧倒され、経済的不安に陥ることがある。
家計とどう付き合うかは、その人の性格や行動的・心理的側面によるところが大きい。綿密に予算を割り当て、細部まで計画を立てる人もいれば、臨時収入のスリルが大好きな軽薄な浪費家もいる一方で、自分よりも他人にお金を使う、気前のいい贈り物好きな人もいる。
生活費の危機がニュースの見出しをにぎわせ、光熱費や食費が上昇して、英国民全員が財布のひもを締めるなか、お金のことが気になるのはもっともなことだ。イギリス国家統計局が発表した最近の数字によると、2022年3月から6月までの間に、英国では約2400万人が家庭でのエネルギー使用量を減らし、約1600万人が食品や必需品の節約をした。国民として、私たちは現金をどのように使っているかということを非常に強く意識しているのだ。
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「多くの人が大幅な支出削減を余儀なくされています。生活必需品の支払いでさえ不安になるのです」とファイナンシャル・アドバイザーのレベッカ・ロバートン氏は語った。「特に収入が減っている場合はなおさらです。私たちは、お金に関して何を優先する必要があるのかを考え直しています」
自分の「お金の性格」を知ることで、支出についてより思慮深くなることができる。すなわち無駄な買い物を減らしたり、予算や計画をよりよく整理したりして、金銭的な不安が抑えられるほど、家計についてリラックスすることを学べる。自分の資金管理への取り組み方に注意すれば、将来に向けてより良い決断ができるようになるだろう。
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「私はいつも基本的に、人のお金の使い方は、その人が自分自身についてどう感じているかを直接反映しているということに気づいていました」と、マインドセット&パフォーマンス・コーチのポリー・ベイトマン氏は説明する。「きちんとした金銭感覚を持つ人は一般的に自己評価が高く、そうでない人は往々にして、自分には価値がないという感覚を持ち、そのためお金に大きな恐怖を抱いています。幸いなことに、もしあまりうまくいっていない『お金の性格』の一つにあてはまるとしても、それを変えることができます。私のクライアントはお金の見方が変わり始めると、自分とお金のつながりがわかって、気分が明るくなるのをよく見かけます」
私たちは、金融の専門家でポッドキャスト番組『How To Accelerate Your Wealth』の司会者であるレベッカ・ロバートン氏と金融アプリ「Maslife」のマインドセット&パフォーマンス・コーチ兼専属アドバイザーのポリー・ベイトマン氏、そして心理学者のバーバラ・サンティーニ氏に、最も一般的なお金の性格タイプについて、また、資金管理への取り組み方を意識することで、お金との関係をより健全なものにすることができる理由について、たずねた。
一般的な「お金の性格」七つのタイプ
1. 強迫的なマネーメーカー
Overearth / iStock.com
強迫的なマネーメーカーは、何よりも金もうけを優先するが、それがあだとなることも多い。意欲と野心はポジティブな特性だが、ワーク・ライフ・バランス(仕事と生活の調和)が崩れると、個人的な問題を引き起こしかねない。「マネーメーカーはしばしば、他のすべてを犠牲にしてお金を稼ぐことに集中します。そして、悲しいかな、自分たちが欲しいと思っているものを買うためにそれを使います」とベイトマン氏は説明する。「私は多くの裕福な顧客が、自分の気分を良くするために現金をちらつかせるところを見てきましたが、彼らの家庭生活や人間関係はめちゃくちゃです」
「彼らは困難や現実から目をそらし、クラブでテーブルを予約したり、豪華なディナーや車、洋服を注文したりして、自分の経済力を人に印象づけようと、さかんにパーティーに繰り出します。これは浪費家が抱える問題とまったく同じです。彼らは自分を正当化するために外部に目を向けるのです」
気を付けるべきことに、強迫的なマネーメーカーは、経済的自由、安全、幸福をお金と結びつけるが、全体的なウェルビーイングとなると代償を払うことになる。心理学者のバーバラ・サンティーニ氏は、「強迫的なマネーメーカーは、ほとんどすべての努力を金もうけに費やしますが、経済的自由を達成しようとすると、どれほど危険なことになりうるか、気づいていないのかもしれません」と説明する。
「私はいつもクライアントに、人生にはお金よりももっと意味のあるものがあることを学ぶように言っています」。仕事と遊びのバランスをとることが大切だ。ウェルネスに関するヒントを参考にする、あるいはウェルネス・プランナーに投資することで、休息やダウンタイムを優先させやすくなるだろう。
2. 賢明な節約家
賢明な節約家は安全策を好む。「彼らは通常の銀行口座にうまくお金をためる傾向があるが、例えば株式市場にお金を投資するなど、次のステップには踏み出さない。彼らは自分自身に責任を負わせようとはせず、自分の周りを安全にしたがる。
「大の節約家は、お金をため込む傾向があり、ローリスクを好み、常にもっとも安全な選択肢を取りたがります」。これらの人々はまた、非常に明確な境界線を持ち、綿密な計画を立てる傾向がある。
常に貯蓄している人は、投資のようなリスクをあまり取りそうにない。貯蓄をすることは間違いなく良いことだが、その貯蓄のうちの少額を、お金を増やす可能性のある投資に充てる価値はある。
「常に“貯蓄、貯蓄、貯蓄”というところにいることは、時に税金の問題を引き起こす可能性があります。そして、そのお金を安全に保管するという課題は常にあるのです。貯蓄をすることは素晴らしいことですが、お金を最大限に活用する計画を持ってください」とロバートン氏はアドバイスする。
サンティーニ氏はまた、極端な貯蓄はお金を稼ぐ喜びを奪ってしまうと主張する。「大金をためている人は、たとえ目標がなくても、お金を保有し続けることがあるのです。私は、普段から適度に使うようにアドバイスしています。一生懸命働いているのに、自分の稼ぎに幸福を見いだせないのでは意味がありません。特に節約のためにレクリエーションや趣味を行わない人は」
3. ギバー(与える人)
人を喜ばせるのが好きな人、これはあなたのためのものだ! ギバーとは、いつも飲み代を払ったり、ディナー代を立て替えたり、友人に豪華なプレゼントを贈ったりする気前のいい人のことだが、その背後にある動機に注意することが重要だ。
「ギバーは根っから気前がいいのですが、プレゼントを贈ることを本物の愛情のかわりにしている可能性があります」とロバートン氏は説明する。「このタイプの金銭感覚を持つのは、自分のニーズよりも他人のニーズを優先させることが多い人です」
愛する人を甘やかすのは素晴らしいことだが、「これは自分の気分を良くするためにやっているのだろうか」と自問してみよう。「経済的な甘やかしは愛や好意に取って代わることはできません」とロバートン氏は続ける。「あなた自身の経済的なニーズも同様に重要であることを忘れてはならないのです」
4. 派手な浪費家
Nuthawut Somsuk / iSrock.com
もうひとつの金銭上のタイプは、他人がどう思うか、どう感じるかに気を取られ、他人から裕福に見られたい派手な浪費家だ。「派手な浪費家は、ガジェット、洋服、靴、スーパーカーなど、ステータスを感じさせるものを好む傾向があります。彼らは人にどう思われるかを気にするので、誰にでも一杯おごろうとします。しかし、このような特徴から借金をしやすいのです」とロバートン氏は言う。
「浪費家は銀行口座の明細をチェックすることはまずなく、本当に必要ではないものを買い、自分がクールだと思うものを持つことに執着します。これはすべて、外部からの承認を必要としていることや、何か気に入らないことや変えられないことを目にするかもしれないと、自分自身をよく見ることを恐れていることを反映しているのです」とベイトマン氏は説明する。
気をつけるべきことに、身の丈を超えた生活は、すぐに借金にエスカレートする。「忘れないでください。どんなに多くのモノやコトを所有しても、それがあなたに深い幸福をもたらすわけではありません。多くの場合、買った喜びはつかの間、借金のしっぺ返しはいつまでも続くものです」
「自分の浪費癖をよく観察し、もっと深いレベルの幸福や豊かさを得るために、他にどんなことにお金を使ったり、投資したりできるかを考えましょう」
5. 体験を求める人
体験を求める人は、洋服やガジェット、デザイナーズブランドの新作ハンドバッグなど、物質的なものを買うためにお金を使うことはあまりなく、その代わりに旅行や高価なディナー、あるいはリラックスするための方法として、おそらくマッサージやスパなどの体験を優先している。問題なのは、こういったものは定期的にお金がかかることで、さらに結婚式やバチェロレッテパーティーの費用がしばしば高額になるため、体験のための費用はすぐにかなりの額に膨れ上がってしまう。
「体験を求めている人は、生活や日々の束縛から解き放たれるためにお金を使う、自由奔放な人として、ボヘミアン的メンタリティを持っています」とロバートン氏は説明する。「彼らは、お金が喜びと自立の感覚を与えてくれる限り、お金の使い方について、計画を立てたり、心配したりすることはありません」
気をつけたいことといえば、経験を求める人は、将来の計画をあまり立てず、今を生きる傾向があるが、これは将来の幸福が損なわれるかもしれないことを意味する。「人生は生きるためにあり、できる限り楽しむものですが、老後という、考えなければならない現実もあります」とロバートン氏は続ける。「将来はどうなるのか、(現在と未来の)いいとこ取りができるのかという問題に取り組むことが重要なのです」
6. 回避型
回避的な性格の人は、管理をきちんと行っていないため、金銭面で困難な状況に陥ることがよくある。このタイプの人は、不安が生じる可能性があるからと銀行口座をほとんどチェックせず、口座引き落としがいつ行われるのか、あるいはいつお金が入ってくるのかを把握していない。つまり、家計が混沌としているのだ。
このタイプの人は整理整頓が苦手なことが多いが、一般的な回避行動や不安からくることもある。家計を把握すれば、長期的にはかなり不安が軽減されるだろう。前触れもなく多額の請求書が届いてショックを受けたり、カードが使えなくなって恥ずかしい思いをしたりすることがなくなるからだ。予算管理アプリは、お金をさまざまな項目に振り分けて、より効果的な家計簿をつけるのにとても役立つ。
7. 金銭面での心配性
心配性の人は、回避型の人とは正反対である。彼らは強迫的に銀行口座をチェックし、細かいことまで悶々(もんもん)と悩み、自分のお金に関しては常にコントロールできていると感じたがる。「心配性な人はたいてい考えすぎで、自分が持っているお金にとても敏感です。ストレスレベルが高いことが多く、頭の中には、何がうまくいかないかについての話がたくさんあります」とベイトマン氏は説明する。
「このような古典的な考えすぎは、緊張とストレスを生むだけです。それは自信と自分自身への信頼の欠如につながり、これが人生を生きる能力を蝕むのです」。要するに、お金の心配に支配される前に、対処することが重要なのだ。
気をつけるべきは、家計に執着することは不安への近道であり、強迫的なチェックは火に油を注ぐだけということだ。その代わり、週に1度時間を決めて、銀行口座をチェックし、あらゆる管理業務を処理するようにしよう。
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「家計簿アプリを使うのも、心配事と戦うには良い方法です。適切なお金の管理方法について学ぶことは良い練習になるし、自信を高めることにもなります。また、自信や自己肯定感の欠如がお金の心配につながっている場合は、コーチをつけたり、クラブやコミュニティに参加したりすることが、自分への投資となると同時に、それを克服するのに役立つと私はいつもアドバイスしています。」
しかし、マネーアプリは助けになるとはいえ、銀行のアプリをデフォルトにしすぎるのは要注意だ。指先で簡単にアクセスできるアプリは、常にチェックしたくなるものだ。しかし、インスタグラムを何時間もスクロールするのと同じように、やりすぎると精神的な健康が損なわれる可能性がある。スクリーンタイム全般に気を配り、銀行アプリに費やす時間を減らすようにしよう。
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家計をコントロールする五つの方法
・予算管理に役立つアプリをダウンロードする
・支出をチェックしよう: 削れるところがないか調べてみることだ。「持っているお金を管理しましょう。出費を減らし、1円も無駄にしないように」とロバートン氏は言う。
・マネープランを立てる:「明確な計画がないと、間違いをおかす余地が大きくなります」とベイトマン氏は言う。
・投資をしてみる:「投資は、すでに持っているものを増やす、素晴らしい方法です」とロバートン氏はアドバイスする。「投資が初めての人でも、アプリを使えば、投資がもっと身近になります」
・話し合う:「心配なことがあれば誰かに相談しましょう。誰もがある程度、同じようなことを感じているので、一人で悩まないでください」とベイトマン氏は提案している。
translation & adaptation: Akiko Eguchi
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