物価が上昇し、それに伴い賃金を上昇させるべく給与体系を見直す企業も増えています。そんな中、人件費が重くのしかかり、人員を整理したいと考える企業も増えてくるかもしれません。「急に働けなくなったら」といった心配を抱えながら仕事をしている人も少なくないでしょう。今回はそういった雇用に関する「雇止め」について取り上げます。

「雇止め」とは?解雇との違い

雇止めとは「契約期間1年」といった有期労働契約の期間満了に伴い、契約を更新せず終了することを言います。つまり、その労働者は契約期間が終了することでその会社で働くことができなくなります。雇用期間の定めのない場合や雇用期間中に雇用を終了すると「解雇」となり、この場合は厳しい規制があります。一方で雇止めはある意味「契約通り」ということになり、適法とされています。

(広告の後にも続きます)

雇止めがあり得るケース


雇止め
【画像出典元】「stock.adobe.com/Inna Dodor」

まずは製造業です。企業が季節商品の製造のため人員を増やしたくて有期労働契約社員を雇用した場合、その期間満了時に季節商品の必要性が低くなっていれば雇止めになることが想定されます。

また非正規の教員なども考えられます。学校のカリキュラムや授業内容は定期的に見直されるため、担当できる科目や他の講師との兼ね合いで雇止めとなることも十分想定できます。

契約期間の更新は「雇用する側と雇用される側の同意」によって行われます。そのため、雇用する側に更新の意思がなければ、少なくとも契約期間が満了となる30日前までに契約を更新しない旨を面談等で伝えます。そして「〇月〇日で契約が終了し、更新しません」といった通知書が送付されるという流れとなります。