国内で感染者が急増している「マイコプラズマ肺炎」。14歳以下の子どもの感染が中心ですが、大人が感染することもあります。風邪との区別が難しいマイコプラズマ肺炎の症状や予防法、注意点などを解説します。

流行中の「マイコプラズマ肺炎」とは

マイコプラズマ肺炎は「肺炎マイコプラズマ( Mycoplasma pneumoniae )」という細菌に感染することで起こる感染症です。発症するのは子どもが中心ですが、家庭内感染などで大人の発症も報告されています。

感染した人の多くは気管支炎などの軽症で済みますが、一部の人は肺炎になったり、重症化したりするほか、患者の5~10%未満で中耳炎、胸膜炎、心筋炎、髄膜炎などの合併症がみられます。大人は子どもに比べて症状が重くなりやすい傾向にあります。

マイコプラズマ肺炎は1年を通してみられ、2024年は感染者が急増しています。秋冬に増加しやすい傾向にあるため、今後も注意したい感染症のひとつです。

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大人に特有の症状も


マイコプラズマ肺炎の感染者によくみられる症状は次の通りです。

どの年代にもみられる症状

以下の症状はすべての年代でよくみられます。初期症状は風邪と似ているため区別が難しいのですが、せきが長引くようだとマイコプラズマ肺炎の可能性があります。
● 発熱
● 全身倦怠感
● 頭痛
● たんの絡まない、乾いたせき(せきは数日遅れてはじまることもあり、3~4週間続くのが特徴)

大人に特有の症状

大人が感染した場合、以下のような特有の症状が現れることがあります。
● 熱が上がったり下がったりすることがある(弛張熱(しちょうねつ))
● 気道の炎症によってたんの量が増え、乾いたせきから湿ったせきになることがある
● 症状が重くなりやすい(特に高齢者は胸水や呼吸不全を引き起こすことがある)