リノベーションの費用相場は、マンションの場合で1㎡あたり12.5〜15万円、戸建住宅では1㎡あたり10万〜22万円と幅があります。
新築よりは安く抑えられるとはいえ、家を大きく作り変えるリノベーションは、依頼する業者、どこまでこだわるか、などによって費用が大きく変わります。
この記事では、リノベーションの費用相場、満足度を下げずにリノベーション費用を抑える方法、補助金やローンなどの知っておきたい情報も詳しく紹介しています。
リノベーションを納得のいく価格で満足に行うために、ぜひ読み進めてみてください。
1.リノベーションの費用相場
リノベーションの費用相場は、以下の通りです。
1-1 フルリノベーションの場合の費用相場
フルリノベーションにかかる費用は、工事面積のほか、マンションか戸建てかによっても変動します。
1-1-1 マンションの場合
マンションのリノベーション費用は1㎡あたり約12.5~15万円が相場で、部屋の広さによって費用は大きく変動します。
650~850 |
750~990 |
840~1120 |
920~1240 |
990~1350 |
1050~1450 |
※税別の前提
※㎡単価約12.5~15万円で計算(費用提供:あなぶき興産|実際のマンションリノベーション施工例より)
出典:マンションリノベーションの費用相場!コストダウンの方法も【事例付き】
上記の表に記載された費用は、マンション一室をコンクリートの状態まで解体し、間取りを一から作り変えるフルリノベーションを想定しています。
ファミリーに人気の70㎡程度のマンションであれば、フルリノベーションにかかる費用は840~1120万円ほどです。
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1-1-2 戸建ての場合
戸建てのリノベーションの費用は750~2500万円と幅があり、家の大きさやどの程度のリノベーションをするかによって変動します。
750~1150 | 1000~1400 |
900~1300 | 1200~1600 |
1000~1450 | 1350~1800 |
1200~1700 | 1600~2100 |
1400~2000 | 1900~2500 |
※木造軸組み工法の建物の前提
※税別の前提
出典:プロが教える!一戸建てリフォーム/リノベーションの費用相場
内装だけをリノベーションする場合と内装・外装ともにリノベーションする場合では施工範囲が異なるため、費用は大きく変わります。内装・外装ともにリノベーションする場合は、柱と基礎以外の全てを作り直す「スケルトンリフォーム」という工事になります。
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1-2 部分リノベーションの場合の費用相場
部分リノベーションとは、住宅全体ではなく特定の部屋や設備のみの、大きく使い勝手を変えるようなリフォーム工事を指します。例えば、キッチンや浴室、トイレなどの水回り、床や壁紙の張り替え、外壁の修繕といった部分的な工事がこれに該当します。実質、施工内容や費用は、リフォームと変わりません。
フルリノベーションに比べ、住宅全体に大規模な改装を行わないため、コストを抑えつつ必要な部分だけを改善できる点が特徴です。
戸建て住宅の部分的なリノベーションにかかる費用の相場は、以下の通りです。
77.5~138.2 |
27.1~48.1 |
90.2~138 |
25.5~46.7 |
8.7~22.5 |
22.5~45.2 |
19.6~45.2 |
19.3~46.2 |
24.3~51.2 |
79.2〜137.6 |
47.9〜125.4 |
72.1〜243.3 |
48.1〜69.4 |
24.2〜74.8 |
24.5〜71.2 |
工事箇所ごとの細かい費用相場や、費用を抑えてリノベーションを行うポイントについては、以下の記事で詳しく解説しています。
参考:リノベーション費用の内訳
リノベーション費用の内訳は以上の通りです。
仮設・解体費
壁・床・天井、設備などを壊し、廃棄する「解体作業」、工事に必要な足場・設備などの「仮設作業」、汚してはいけない箇所を保護する「養生作業」などにかかる費用です。
マンションの場合は10〜15%、戸建ての場合15〜20%が目安となります。
住宅設備・建具等資材費
キッチンやユニットバスなど「住宅設備」、室内ドアなど「建具」といった資材そのものにかかる費用です。
使用する資材の内容やグレードによって変動します。
工事費用
工事にかかる費用、いわば職人さんの人件費です。
住宅設備・建具等資材費の割合によって変動します。
運搬・諸経費
運搬費のほか、諸経費として現場管理費などが含まれます。リノベーションのような大型工事は工程が多く、様々な業種の職人さんが関わるため、プラン通りに工事が進むよう現場を管理する現場管理費用の割合が高くなっています。
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2.リノベーション費用を左右するポイント
2-1 物件の立地条件
リノベーション費用を左右するポイントの1つとして、物件の立地条件が挙げられます。
住宅密集地や繁華街、高層階など、資材や道具の運搬が難しい場所では、費用が上がる傾向にあります。たとえば、狭い道では作業車を近くに停められず、資材を手で運ばなければならないため、運搬費や人件費が増加するケースは少なくありません。また、立地を理由に複雑な工事が必要な場合、材料費や職人の工賃が上がる可能性も考えられます。
さらに、作業スペースが限られている環境では、作業効率が落ち、工期が延びた結果、全体の費用に影響を与えることになるため注意が必要です。
2-2 もとの物件の状態
リノベーション費用を左右するもう1つのポイントとして、もとの物件の状態があります。
築年数が古い物件では、建物全体の劣化が進んでいる可能性があり、その分修繕や改修の費用が増えるでしょう。特に築30年以上の物件では、配管や配線が劣化していることが多く、全体の入れ替えが必要になるケースも考えられます。
また、メンテナンスが十分にされていない場合、外壁や屋根の劣化、シロアリ被害なども発生しているかもしれません。これらの要因が重なると、リノベーション費用が大幅に増加する可能性があります。
2-3 こだわり
リフォーム後の仕上がりに強いこだわりがある場合も、費用が高くなる傾向があります。
たとえば、使い心地や性能に優れた高グレードの設備機器や、オーダーメイドや海外製の内装材を使用する場合、その分コストが上がります。
また、間取りを大幅に変更する際にも費用はかさみます。階段や玄関の移動、吹き抜けやロフトの新設など、既存の間仕切りを解体して新たに造作する大規模な変更が加わると、工事費用が大幅に増加するでしょう。