5.マンションをスケルトンリフォームするデメリット・注意点
メリットが多く魅力的に感じるスケルトンリフォームですが、知っておきたいデメリットや注意点もあります。
5-1.工事中は引っ越しが必要
スケルトンリフォームでは専有部分をすべて解体するため、部分的なリフォームのように住みながらの工事はできません。工事期間の1.5〜4か月ほどは、仮住まいが必須となります。
実家に移り住む場合は家具・家電類の預かりサービスや倉庫のレンタル料金だけで済みますが、賃貸物件に入居する場合は敷金・礼金に加えて入居期間分の家賃も必要です。
5-2.マンションの構造や規約によっては希望通りにならないこともある
スケルトンリフォームは自由度の高さが魅力ですが、マンションでは構造や管理規約によって希望通りの工事ができない可能性もあります。
水まわりの移動に制限が出る
マンションでは配管を通す『PS(パイプスペース)』が共用部分となっており、専有部分の中にあるものも移動することはできません。PSを起点にした移動は可能ですが、どうしても移動距離に制限は出てしまいます。
また、配管が下階の天井裏を貫通している『直床工法』のマンションでは、PSまでの距離とは関係なく水まわりを移動することはできません。
水まわりの移動可否については素人での判断は難しいので、必ずリフォーム会社に相談してください。
水回りはリフォームでどれだけ移動できる?事例・費用・箇所別の難易度を解説
壁式構造は間取り変更が難しい
マンションの構造には柱や梁で建物を支える『ラーメン構造』と、耐力壁で建物を支える『壁式構造』があり、壁式構造の場合は間取り変更に制限が出てしまう可能性があります。
壁式構造の耐力壁は共用部分だけではなく室内にもあり、その部分の壁は壊せないからです。
ただし壊せないのは耐力壁のみで間仕切り壁は壊せるので、工夫次第で希望は叶えられる可能性があります。壁式構造だからといって、スケルトンリフォームを諦める必要はありません。
共用部分はリフォームできない
共用部分といえばエントランスや階段、エレベーターを思い浮かべるかもしれませんが、専有部分にある玄関ドア、窓ガラス・サッシ、PS、バルコニーも共用部分にあたります。
共用部分についてはスケルトンリフォームであっても、個人が修繕・交換することはできません。
そのため「窓を断熱性の高いものに交換したい」「玄関ドアを新しくしたい」「バルコニーをサンルームにしたい」といったリフォームはできない場合がほとんどです。
ただし内窓の取り付けや、バルコニーにタイルやウッドデッキを敷くことはできるので、代替方法で希望を叶えることはできるでしょう。
マンションリフォームの知っておくべき9つの注意点【会社選びが成功のカギ】
(広告の後にも続きます)
6.マンションのスケルトンリフォームにかかる期間(日数)
マンションのスケルトンリフォームにかかる期間は、所有物件の場合で6か月〜1年、中古物件探しからする場合は1年前後が目安です。
スケルトンリフォームの流れを簡単に見てみましょう。
計画(予算決め、会社探し) | ~1か月 |
リフォーム会社との打ち合わせ、管理会社への申請 | 2~3か月 |
着工準備(図面の作成、引っ越し) | 2~3か月 |
着工 | 2~3か月 |
戸建てならば自分たちの判断で工事をできますが、マンションでは管理規約の把握や管理会社へリフォームの申請が必要です。
リフォーム日程の調整に時間がかかると、その分期間が延びる可能性があります。
さらに打ち合わせの合間に設備や建材メーカーのショールーム見学も挟むので、希望入居時期がある方は、余裕をもって行動したほうがよいでしょう。