咳が長引く傾向にある今年の風邪。流行中のマイコプラズマ肺炎ではない、ほかの病気の可能性も。今回は、40代以上の女性に多い「肺マック症」について解説します。
「肺MAC(マック)症」は、中高年女性に多くみられる肺の感染症。原因菌は浴室や庭の土など身近なところに存在し、近年の患者数は増加傾向にあります。

中高年女性に多い「肺MAC(マック)症」とは

肺MAC症は、「Mycobacterium avium complex(マイコバクテリウム・アビウム・コンプレックス)」(略称MAC:マック)という菌による肺の感染症です。

40代以上のやせ型の女性に多くみられ、近年の患者数は増加傾向にあります。MAC菌は水回りや土の中など身近なところに存在しています。自分でも気づかないうちに感染することがほとんどで、多くは感染してから10年以上かけてゆっくり進行します。なお、人から人へ感染することはないとされています。

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長引く咳などの症状がある

肺MAC症に感染しても、初期段階では無症状のことが多く、健康診断や人間ドックのレントゲン検査で見つかる人もいます。

進行すると咳やたんが長引いたり、微熱、倦怠感、体重減少、血痰(けったん)などの症状が現れたりすることがあります。血痰とはたんに血が混じっている状態で、のどや肺などからの出血のサインです。思い当たる症状があれば早めに医療機関を受診しましょう。