検査・診断方法

肺MAC症は結核などほかの肺の病気と症状が似ているため、複数の検査をして診断します。胸部X線検査、胸部CT検査、血液検査、喀痰(かくたん)検査、気管支鏡検査などを行います。

喀痰検査ではたんを採取して菌の有無を調べますが、1回の検査で陽性になっても診断確定にはなりません。MAC菌は身近なところに存在しており、検査のときに誤って菌が混入した可能性も考えられるためです。2回の検査で陽性になれば診断が確定します。

たんが出ない場合には、菌の有無を調べるために気管支拡張検査を行います。気管支拡張検査で菌が検出された場合は1回で診断が可能です。

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治療は薬物療法が基本

現時点で肺MAC症を完全に治す治療法は確立されていません。しかし、多くはゆっくりと進行し、軽症の場合は自然軽快する人や、経過観察のみで生活している人もいます。ただし、その場合も定期的に検査をして病状を確認する必要があります。

咳やたんなどの症状がある場合や、病変が進んでいる場合は治療を行います。治療は抗生物質による薬物療法が基本です。効果が弱い場合は注射を併用することもあります。また、病変を取り除く手術を行うケースもあります。

肺MAC症は再発や再感染が多い病気です。そのため、菌が検出されなくなってもしばらくは薬物治療を続ける必要があり、年単位で治療が行われます。また、治療を終えた後も定期的な検査が必要です。