デート中やグルメな仲間との食事の際に、ちょっとした話のネタを持っておくと安心なもの。そんなときに便利な「グルメトリビア」をご紹介。
今回は、知っているようで分からない、和食の「八寸(はっすん)」についてのクイズです。
答えに続けて、東京でおすすめの和食店もご紹介します!
気になる答えはこちら!
A:③
【解説】
「八寸」とは茶懐石料理の言葉で、縦横が八寸(約24cm)の杉の角盆に盛り付けられた料理のことをいいます。会席料理では、「前菜」や「口取り」の献立にあたります。
お茶会における茶懐石料理での「八寸」は、亭主とお客が盃をかわす場面で出される料理になります。八寸四方の杉の盆に、酒の肴として、海の物と山の物を合わせて出す事が決まりとなっています。
また、会席料理や和食店における「八寸は」、前菜として出され、旬の食材を使った色鮮やかな品々を少しずつ盛り付けた、季節を感じる料理のこと。
今では盆の形もそれぞれ美しく進化し、お酒とともに自由に楽しむスタイルが定着しています。
◆とっておきのデートで足を運びたい!東京を代表する和食5選
ここからは、東京で人気の和食店をご紹介します。
八寸から季節感を感じられる名店ばかりです。秋の味覚を味わいに、足を運んでみてください。
1.多彩で品のいい八寸にときめきが広がる銀座の名店『銀座 和久多』
木を多用した設えと、ほのかに薫る香におもてなしを感じる店が、銀座8丁目の『和久多』。素材本来の美味を追求した正統派の懐石コースが魅力だ。
八寸にはあわびや飯蛸、若鮎など、贅沢な食材をふんだんに盛り込む。とくに素材の味がダイレクトに出る山の幸は、秋田産と京都産が外せないという。
「体に優しい味付けが基本。素材に合わせて冷感のジュレをかけたり、出汁の使い方を変えます」と、店主の亀山昌和さん。贅を知り尽くした大人にこそ、味わってほしい。
2.「八寸」の美しさと、土鍋ご飯に心奪われる『赤坂おぎ乃』
訪れる人を魅了する、ダイナミックに旬を感じるコース料理の数々。中でも運ばれてきた瞬間に歓声が上がる「八寸」は、『赤坂おぎ乃』の看板メニューだ。
一品一品に意匠を凝らした丁寧な仕上げは、ラグジュアリーと呼ぶにふさわしい。
店主の荻野聡士さんは『京都吉兆 嵐山本店』で8年、『銀座 小十』で7年研鑽を積んだ気鋭の料理人だ。名だたる料亭と割烹の双方で学んだノウハウを、自身の店では独自に昇華している。
八寸の立体感のある盛りつけは“吉兆”仕込みで、一幅の絵を見るような豪華さには思わず、息を呑むほど。押しも押されぬ和食の名店だ。
3.目にも美しい旬の恵みが並び、卓上で季節を知る店『乃木坂 しん』
食通から支持される日本料理店『乃木坂 しん』の八寸は食べる者の舌と心を刺激する構成だ。
「熱々のものを必ず入れ、温度に変化を出しています。出汁で炊いたものもあれば、甘めのものも酸っぱいものもある。味わいにも抑揚が大事」と店主の石田伸二さん。
春の八寸には甘鯛の塩焼き、それぞれ異なる仕立てとなっている春の野菜の盛り合わせ、生ウニなどが並ぶ。ひと口ごとが楽しい逸品は、五感を刺激される喜びに出会える。
4.デザート八寸もある自由な割烹を楽しめる人気店『馳走とりの巢』
白金の間借り営業で人気を博し、芝大門にて独立を果たした『馳走とりの巢』。新鮮なアイデアの和食を楽しめるこの店のファンは多い。
珍しい「デザートの八寸」には、定番の蕨餅のほか、柿とほうじ茶のゼリーやココナッツ風味の杏仁豆腐など常時7種が並ぶ。
コースは先付けからデザートまで全10品ほど。お酒のラインナップも豊富で、デザートに合わせて食後酒もあるというから驚きだ。
こんな和食店なら、普段使いできる「行きつけ」の店にしたくなるはず。
5.一流の美味と、穏やかな空気感に心がときほぐされる『日本料理秀たか』
季節ごとの豪華食材を惜しみなく使用するコースを提供する、『日本料理秀たか』。
渋谷と恵比寿の各駅から離れた場所にもかかわらず連日満席を誇るが、その理由は、おまかせコースの充実度だ。コース序盤に登場する「小丼」は、赤酢の酢飯に白魚とバフンウニがたっぷり。
華やかな「焼き物八寸」は、酒のアテに最適だ。この日は、脂の乗ったノドグロの炭焼きや、自家製半生からすみ、あん肝などが並んだ。
〆の土鍋ごはんは、筍ごはんに黒トリュフを200g山盛りにかけるのが『秀たか』流。秋の贅沢を楽しみに足を運んでほしい。
このグルメトリビアの記事は、隔週の水曜日に公開します。お楽しみに!
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