大企業を辞め、起業から5年で4店舗立ち上げた敏腕オーナー。『焼鳥 やおや』の代表が語る今と未来

2019年開店の『焼鳥 やおや』に続き、『リバーサイドヤオヤ』、『808labo』と池尻界隈に立て続けに出店したYAOYAグループの代表が遊津拓人さん。

池尻のキーパーソンが今後の展望を語った。



原点が池尻だったからいまがあり、未来がある



『焼鳥 やおや』の誕生は驚きだった。屋号が不思議なばかりか、代表の経歴も異色。暗めの照明にヒップホップが大音量で流れる焼き鳥店は新しく、串と肴の独創性も注目を集めた、と当時を遊津さんが振り返る。

「美味しくて楽しく、元気になれる。そんな店がイメージでした」

遊津さんは大学卒業後、アサヒビールに入り、大阪の飲食店を回った営業マン。仕事で出会った熱い店主たちに触発されて自らも開業を志すように。

店名は当時お世話になった八尾の町にちなんで。焼き鳥店での修行などを経て、2019年同店を開くとあっという間に人気になった。

「僕も含め大阪の商売を知るメンバーが創業時は多く、適度な距離感で時に積極的にいく、いい感じの接客ができたことは大きかった。

また、自分達で良いと思ったことを、周囲を気にせず料理や空間で表現しました。池尻は我が道を行く人が多く、個人主義を尊ぶ風潮があるので、その姿勢も刺さったんだと思います」

大阪で生まれ横浜で育った遊津さんにとって池尻は「降りたことが一度もなかった駅」。物件と出合ったことで直感的に出店を決めたが、いまはここで良かったと思っている。

「営業し始めて実感しましたが、池尻はイケてる大人がとても多い街です。僕なりの分析ですが、バブルの頃、尖った大人たちが集まっていた三宿の空気感がいまも残っている」

その実感が自由度をより強調した賑々しい『リバーサイドヤオヤ』の出店に繋がり、逆に美味と静かに向き合う『808labo』を生んだ。

尖った大人が尖ったまま暮らせる街。それが遊津さんの考える池尻なのだろう。そして、この街で育まれた「Going my wayの精神」を武器に今夏ついに渋谷に進出した。

「世界から人が集まる“ザ・東京”の象徴が渋谷なのでTOKYOを冠しました。来年には港区への出店の予定も。YAOYAのブランド力が付いてきたことで、海外出店の話も出てきています」

池尻発祥の世界的なチェーンが生まれる日も近いのかもしれない。

【YAOYAグループ代表に直撃Q&A】



Q.『リバーサイドヤオヤ』で人気の串は?

A.工夫を重ねたオリジナルの串が好評です



「人気トップ3は本店と一緒で当初から提供してきたシグネチャー的な串ばかりです」

刻んだ大葉を入れて柚子胡椒ポン酢で調味した「せせり」¥330、自家製こうじみそに漬け込んだ「はらみ」¥330、せせりの挽肉で仕込む「つくね」¥330。

Q.『808labo』では、どんなお料理が楽しめるの?

A.ハイブリッドな創作つまみをぜひ!



「フレンチやスパニッシュなど、多岐に渡るジャンルで研さんを積んだシェフによるノンジャンルな居酒屋料理が楽しめます」

写真はシグネチャーのひと皿「グリーン麻婆豆腐」¥1,738。アボカドや春菊、青麻鮮が入った珍しい一品。

Q.YAOYAの系列店で頼むべき一杯は?

A.特製クラフトジンなど独創的なお酒が人気



「オススメは池尻の『SiCX by FarEastCraft』さんに作ってもらった〈やおやオリジナルジン〉¥1,100。唐辛子入りでピリ辛ですから焼き鳥と抜群に合う。特に、トマト割りが最高です!」

Q.起業して5年で4店輔。いま、どう感じている?

A.日本の炭火焼鳥を世界にも広めたい!これが原動力



「元々は人生を謳歌する店主たちがまぶしくて自分も、と飲食業界に飛びこみました。

今後の目標は、格好良い飲食集団になって、飲食業界の楽しさや素晴らしさを僕らなりに広めていきたいと思ってます。その上で炭火焼鳥を広げていきたいです」



【『焼鳥 やおや』の軌跡】



2019年9月→『焼鳥 やおや』オープン

2020年11月→『リバーサイドヤオヤ』オープン

2022年10月→『808labo』オープン

2023年12月→『焼鳥やおや HANARE』学芸大学にオープン

2024年7月→『YAOYA TOKYO』渋谷にオープン

2025年春頃→『焼鳥 やおや』リニューアルオープン予定

2025年秋頃→港区に新店オープン予定



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