水あげのコツ

庭に咲く秋明菊は丈夫な植物ですが、切り花にすると水が下がりやすくなります。どの植物にも共通していることですが、切り口を大きく、つぶさずにカットすることで水あげがよくなります。まずは、よく切れるハサミを使ってできるだけ斜めにカットします。(左)

花のプロのようにカッターなどを使うと(右)、より切り口がシャープに長くなり、水あげもよくなりますが、慣れが必要なので無理のない方法で行いましょう。

花がぐったりとしていない場合は、これだけで十分です。

もし、花首がうなだれているような場合は、葉をなるべく取り除き、茎を斜めにカットします。さらに、新聞紙で包んで、茎の半分が水に浸るようにして1~2時間程度水を吸わせます。

「秋明菊」の基本情報

□開花期:8月中旬~11月

□香り:なし

□学名:Anemone hupehensis

□分類:キンポウゲ科 / イチリンソウ属(アネモネ属)

□和名:秋明菊、貴船菊(きぶねぎく)

□英名:Japanese anemone

□原産地:中国、台湾

新井光史

神戸生まれ。花の生産者としてブラジルへ移住。その後、サンパウロの花屋で働いた経験から、花で表現することの喜びに目覚める。

2008年ジャパンカップ・フラワーデザイン競技会にて優勝、内閣総理大臣賞を受賞し日本一に輝く。2020年Flower Art Awardに保屋松千亜紀(第一園芸)とペアで出場しグランプリを獲得、フランス「アート・フローラル国際コンクール」日本代表となる。2022年FLOWERARTIST EXTENSIONで村上功悦(第一園芸)とペアで出場しグランプリ獲得。

コンペティションのみならず、ウェディングやパーティ装飾、オーダーメイドアレンジメントのご依頼や各種イベントに招致される機会も多く、国内外におけるデモンストレーションやワークショップなど、日本を代表するフラワーデザイナーの一人として、幅広く活動している。

著書に『The Eternal Flower』(StichtingKunstboek)、『花の辞典』『花の本』(雷鳥社)『季節の言葉を表現するフラワーデザイン』(誠文堂新光社)などがある。

花毎でお楽しみいただける新井の連載 夢の花屋

Text・第一園芸 花毎 クリエイティブディレクター 石川恵子