生前贈与や相続でトラブルにならないために
生前贈与は税金対策に有効である一方、家族間でトラブルに発展する危険性もあります。
生前贈与や相続でトラブルにならないためにはどのような方法があるのでしょうか。
生前贈与は家族で話し合うのが難しい
ー生前贈与について家族で話し合うのはなかなか難しいように感じます。何かおすすめの切り出し方やタイミングなどはありますか?
そうですね。ご両親から生前贈与や財産について切り出す場合は問題ありませんが、子世帯からはなかなか言い出しにくいでしょう。
一つおすすめのタイミングとして、ご両親が高齢になって入院された時期が挙げられます。入院後元気になったとしても、一度財産について話し合っておけば相続でのトラブルを防いだり、相続税がかかると知って早めに生前贈与を検討することも可能です。
争点になる「特別受益」
ーやはり、相続でトラブルになるケースは多いのですか?
はい。生前贈与が特別受益にあたるかどうか?という観点からトラブルに発展するケースが多い印象です。
「特別受益」とは、独立して生計を立てる子どもへの贈与を指します。特別受益は遺産分割に大きく関わる部分になるため、家族間でトラブルに発展しやすいのです。
ーたとえばどのようなトラブルが挙げられますか?
父が亡くなって相続財産を決める際、「長男には生前に100万円の贈与があった一方、次男には贈与がなかった」ことでトラブルになるケースがあります。実は家族間でも、誰にいつ・いくら財産を贈与したかというのは共有されていないケースが多いのです。
上記のケースでは、生前に贈与された100万円を加味して遺産の取り分を決めるべきかが争点になります。
ー特別受益にあたるケースは何ですか?
基本的には生活費援助や不動産贈与などが挙げられます。対して結婚時の持参金や支度金、教育資金などは特別受益にあたらないというケースが多い印象です。
特別受益に当てはまるかどうかはケースバイケースであり、なかなか難しい部分ですね。
いつ誰に相談すべき?
ー相続や生前贈与などはいつ誰に相談するのがよいのでしょうか?
生前贈与は財産を渡したい人に渡せることだけでなく、遺産分割の前倒しとしての機能も備えています。遺産分割で家族仲が悪くなる前に、生前贈与を考え始めた段階で弁護士に相談するのをおすすめします。
家族でトラブルになる前から弁護士に間に入ってもらうことで、円滑に生前贈与・相続の手続きを進められるでしょう。
ー亡くなってから相続が始まるのではなく、生前贈与のタイミングで相続を見越しておくのが大切ですね!
そうですね。相続時の税金を減らすことは生前贈与の大きな機能である一方、税金対策を重視するあまり家族が崩壊してしまっては意味がありません。
あくまで生前贈与は家族間を円満にする一つの手段と考え、家族で話し合いを重ねていきましょう。
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まとめ
今回は、生前贈与について武藏先生に解説していただきました!生前贈与と相続の違いや、家族間でトラブルに発展しないコツなどを学べましたね。
生前贈与は家族仲を円満にする一つのツール。家族で話し合いながら円満な関係を築いていきましょう!
会社名
法律事務所エムグレン
代表取締役
武藏 元
所在地
東京都渋谷区円山町6-7アムフラット1階
事業内容
遺産分割、遺留分相談
公式サイト
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