これから本格的に冬になろうとしていますが、実はここ数年で、冬のアイスクリームの売り上げは年々増加傾向にあるそうです。暑い夏はもちろん、年中愛されるアイスクリーム。今回は、今年9月に新しくオープンしたアイスクリーム専門店を取材しました。

店内仕込みのアイスクリームの美味しさもさることながら、これからの時代を生き抜く商材として「アイスクリーム」は優秀そのもの。そんな話も聞くことができました。詳しくお伝えします!

カフェと住宅が混ざる南堀江にオープンした新しいアイスクリームショップ

お店の場所があるのは、オシャレなカフェやセレクトショップが立ち並ぶ大阪市西区・南堀江エリア。昔はショッピング街のイメージも強かったのですが、最近はタワーマンションが次々と建ち、今や大阪市内で人口増加率が最も高いと言われています。

地下鉄の西大橋駅を降りて南へ5分。立派な集合住宅の裏手を回ると見えてくるのが、できたばかりのアイスクリームショップ「nöjd(ヌイド)ICE CREAM」です。

「nöjd(ヌイド)」はスウェーデン語で「満足している」という意味。心と身体を満足させる、安心で美味しい食体験を提供しようと、2024年9月13日に誕生したそうです。

シンプルなデザインのカフェと、中央にはスタンディングテーブル。12種類以上のフレーバーが並ぶアイスクリームのショーケースの奥にはキッチンが見えます。アースカラーで統一された心落ち着く空間です。

キッチンから出てきてくれたのが、オーナーの三好克也さん。神戸北野ホテルで10年以上パティシエとして修行を積み、その後各地でシェフパティシエとしても活躍していたそう。目標だった自ブランドに、アイスクリーム店を選んだ理由とは?

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「安全で美味しい」を追求した結果、アイスクリームだった

「18歳の時から20年以上『食』に携わってきて、僕が一番大事にしたいこと。それは安全で、美味しいものを食べてもらうことなんです。その答えの一つがアイスクリームでした」

昨今、何らかの食物アレルギーを持つ人、健康に気遣ってグルテンや糖分を控える人が増えています。そういったものを避けて「食べない」選択もできるけれど、心の豊かさや幸福感を求めて、人は甘いものを食べます。三好さんは「豊かさ」を提供する側の人として、美味しくて、かつ安全であることを大事にしたいと、アイスクリームに行き着いたそう。

「ケーキは、保形性のためにゼラチンなどの凝固剤を使うのですが、ゼラチンアレルギーの人もいます。ほかにも、バターや小麦粉、卵など…どれだけシンプルにしたとしても、ケーキを作るには必要な材料が多いんです。でも、アイスクリームは限りなく材料を少なくすることができる。究極、乳成分と糖質だけでも作れます」

材料を限りなく減らした「安全で幸せな食べ物」。それを最も実現するのに一番近いのがアイスクリームというのが、三好さんの考えです。

「すべてグルテンフリーやヴィーガンにこだわっているわけではないんですが、糖質はきび糖や水あめ、安定剤も自然由来の素材です。一つひとつの素材をしっかり吟味して、美味しいアイスクリームに到達できるのが理想。ケーキには使いづらい素材も、アイスなら使えるという利点もあります。これから色々、挑戦していきたいです」

こだわりをしっかりと聞いたところで、店内仕込みのアイスクリームを試食しました。アイスクリームのメニューは「1scoop」「2scoop」どちらかを選ぶシンプルなもの。12種類以上、どのフレーバーを選んでも価格は変わらないのが嬉しいポイントです!私は2scoopで、ラムレーズンとチョコ&チョコブラウニーをチョイス。

ベルギー産の濃厚なチョコレートアイスに、ブラウニーの食感がアクセントになっています。ラムレーズンはしっかりラム酒が効いた良い香りで、クオリティの高さが伺えます。三好さんの話を聞いた後だと、味わいもより深く感じました。

もう一つ、面白いのが「ミックスジュース」。様々なフルーツを混ぜて作ったシャーベットをカップに入れて、後からミルクを注ぎます。シャーベットとミルクを混ぜながら飲むスタイルです。

「フルーツはその時々で変更するかもしれません。ミルクはアーモンドミルクに変更もできて、僕はそっちの方がおすすめです。結構美味しくできたなと自分でも思っていて、お客様の評判も上々です。喜んでいただけると嬉しいです」