すす病にかかったときの対処方法や治療方法は?


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育てている植物がすす病にかかってしまっても、適切に対処すれば治すことができます。

ここでは、すす病の対処方法や治療方法について解説します。

すす病を見つけたときはまずカビの除去を


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症状が軽い段階であれば、まずは黒いすす状の部分を拭き取るか、洗って取り除きます。すす病が出ている葉が少なければ、葉を摘み取るか、病変が広がった部分を剪定します。この作業を行う際は、カビが他の部分に移らないように注意が必要です。摘んだり切ったりした葉や枝はそのままにせず、ビニール袋などに入れて捨てましょう。

殺菌剤や殺虫剤などの薬剤を散布する


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症状が広範囲に出ている場合は、すす病に効果のある殺菌剤として、例えば「トップジンMゾル」や「ベンレート水和剤」などを散布します。殺菌剤の使用により、症状は一時的に治まることが多いですが、薬剤は対症療法的なもののため、再発する可能性があります。また、害虫が原因である場合は、害虫の駆除も必要となります。害虫への対処方法については、後ほど詳しく説明します。

木酢液や竹酢液など無農薬で対処する


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できるだけ農薬を使いたくない場合は木酢液や竹酢液を使うのも一つの選択肢です。木酢液は、炭を製造する過程で発生した煙を冷却して得られる水溶液で、竹を原料としたものは竹酢液と呼ばれます。

これらの液を希釈し、葉や茎に散布することで、カビへの殺菌効果や防虫効果が期待できます。製品によりますが、通常は300~1,000倍程度に薄めて使用します。ただし、化学薬剤と比べると効果はゆるやかです。

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すす病にならないための環境を整えるポイント2つ


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すす病は高温多湿の環境で発生しやすいため、発生を予防するには、栽培環境や管理方法を見直すことが重要です。すす病の発生を防ぐには、特に次の2つのポイントに注意するとよいでしょう。

1.風通しよく栽培する

植物の病気を予防するためには、風通しよく栽培し、菌の繁殖しやすい環境を作らないことが重要です。株の間隔を十分に取って植え付け、風通しや日当たりをよくしましょう。枝を適宜剪定して過密を防ぐことも大切です。また、肥料過多によっても枝葉が込み合いやすく、病気に弱い軟弱な株に育ちやすくなるため、適切な量の肥料を与えるよう心がけましょう。

2. アブラムシやカイガラムシなどを防除する

すす病の多くは、アブラムシやカイガラムシなどの排泄物に菌が繁殖することで発生します。そのため、原因となる害虫を早期に発見し、駆除することが非常に重要です。アブラムシやカイガラムシなどの害虫の駆除については、次に詳しく解説します。