庭の彩りが少なくなる冬から早春までに赤や緑の実やつぼみが彩りとして活躍する花木で近年、人気急上昇の「スキミア」は、11月中旬から本格的に苗の販売が始まります。1m以下のコンパクトな株に常緑のつややかな葉を茂らせ、プチプチとした可愛いつぼみをつけるので、クリスマスやお正月など冬の寄せ植えや花壇のアクセントとして効果的です。近年、品種のバリエーションが増えているスキミアの基本情報から使い方、年間の育て方のコツをプロが解説します。

スキミアの基本情報


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植物名:スキミア
学名:Skimmia japonica
英名: Skimmia
和名:ミヤマシキミ
科名:ミカン科
属名:ミヤマシキミ(スキミア)属
原産地:日本、台湾
分類:常緑低木


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スキミアは、ミカン科ミヤマシキミ(スキミア)属の常緑低木。晩秋から冬にかけてプチプチとしたつぼみや赤い実をつけた可愛い姿を保ち、春になると花が咲く植物で、冬から春にかけての花壇や寄せ植えで活躍してくれるガーデンプランツです。


チェッカーベリーやコニファーとスキミアを合わせたクリスマスイメージの寄せ植え。Natalia Greeske/Shutterstock.com

スキミア、という名前ではピンとこなくても、ミヤマシキミといえば馴染みがある方も多いかもしれませんね。じつはスキミアは、日本原産のミヤマシキミが、ヨーロッパに渡って品種改良されたもの。スキミアという名前も、和名のミヤマシキミから付けられたものだそうで、シキミアと呼ばれることもよくあります。時々、シキミと呼ばれることもありますが、スキミアとシキミはじつは別種の植物です。シキミはイリシウム(Ilicium anisatum)の和名、スキミアは学名のカナ読みです。


日本に届くスキミアの苗は、オランダの良好な気候で日本向けの苗として育てられています。写真は、オランダのスキミア生産者「ヌナップファンガース社」。

海外ではガーデンプランツとして高い人気があるスキミア。近年は冬に活躍する植物として日本でも注目されるようになり、園芸店などで販売される苗数も増えてきました。日本で販売されている苗の多くは、オランダなどの海外から輸入されたもので、少々値段が高く、やや植え場所にも気を使うところがあります。しかし、スキミアは観賞期間が長く、育てやすさから寄せ植えや花壇に人気の花木として人気が高まっています。


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樹高は80~100cmほどとコンパクトに生育するので、花壇やコンテナガーデンに取り入れやすい植物です。花期は春の3月頃ですが、11月頃に花芽ができはじめ、冬はつぼみのまま全く変わらない姿を観賞でき、手をかけなくてもきれいな姿を保つことができるのが嬉しいところ。つぼみがついた枝を切れば、クリスマスやお正月の花飾りにも活用できます。


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実をつける雌株か、つぼみ&花を楽しむ雄株どっちを選ぶ?


左/鮮やかな赤い実が美しいスキミア‘リーベシアーナ’。実をつけるタイプは雌株。中/スキミア‘ルベラ’。晩秋から冬まではこの赤いつぼみの状態で、春には白い花を咲かせます。花を咲かせるのは雄株です。右/春に開花したスキミアの花。小花が房状になって咲きます。Del Boy/ Dave Debby/ Tom Meaker/Shutterstock.com

園芸分類:花木
開花時期:3月
樹高:80~100cm
耐寒温度:マイナス5℃
耐暑性:弱い
花色:白(つぼみの外側の色は白、ピンク、薄黄色、薄緑、いぶし銀な茶色など)

スキミアには、大きく分けて実をつけるタイプと花を咲かせるタイプがありますが、どちらも冬の庭に鮮やかな彩りを添えてくれます。

実をつけるのは雌株で、代表的な品種に、スキミア‘リーベシアーナ’と、より実が大きい‘テンプテイション’の2品種があります。ツヤツヤした鮮やかな赤い実はクリスマスやお正月の雰囲気を演出するのにもオススメ。11月頃から鉢植えが出回り始めますが、翌年以降も実をつけるには受粉が必要なので、実つきタイプのものを選ぶ際は後ほど説明する花の咲く雄株も合わせて入手しましょう。一方、晩秋から冬にかけてプチプチとしたつぼみをつけ、春になると花が咲くのは雄株です。


左/スキミアの代表品種、‘ルベラ(Rubella)’。右/緑のつぼみが美しい‘フィンチー(Finchy)’。

雌株は別名ハナスキミアとも呼ばれ、赤や緑のつぼみなど品種が豊富にあります。

代表的な品種は、鮮やかな赤いつぼみが美しい‘ルベラ’、爽やかなグリーンのつぼみをつける‘フィンチー’があります。春には白や薄ピンクの花が株全体を覆うようにふんわり咲いて、まるで衣替えをしたようにイメージが一変します。


左から、レッドドワーフ(Red Dwarf)、ホワイトグローブ(White Globe)、マジックマルロー(Magic Marlot)。

近年では寄せ植えに使いやすい矮性(わいせい)種が人気で、赤いつぼみの‘レッドドワーフ’、緑のつぼみの‘ホワイトグローブ’や、クリスマスに合わせてつぼみの色がグリーンからピンクに遷り変わりする‘マジックマルロー’などシーンや使い方に合わせた品種が選べるのも魅力です。