スイセンの名前の由来や花言葉


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水仙という名前は、原産地の中国の古典「仙人は天にあるを天仙、地にあるを地仙、水にあるを水仙」に由来。水仙とは水の仙人という意味で、美しい花姿と芳しい香りを、尊い仙人にたとえたものとされています。

花言葉は、「うぬぼれ」「自己愛」「報われない恋」など。学名のNarcissusはナルシストと語源が同じで、ギリシア神話のナルキッソスから来ています。水面に写る自身の姿に見惚れて焦がれ死に、スイセンの花になったというエピソードから、これらの花言葉が与えられたようです。

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スイセンの種類や系統

スイセンの園芸品種は1万以上があるほど非常に豊富で、咲き姿も多彩です。ここでは、世界的に用いられている、英国王立園芸協会による分類法を紹介しましょう。この分類は便宜的なもので、植物学上の分類ではありません。

ラッパスイセン


原種ラッパスイセン。Krzysztof Bubel/Shutterstock.com

一茎一花、副花冠(ラッパ)が花被片(花弁)の長さと同じかそれよりも長いのが特徴です。主な花期は3~4月。品種は‘キングアルフレッド’、‘マウントフット’など。

大杯(たいはい)スイセン


‘アイスフォーリス’ Ole Schoener/Shutterstock.com

一茎一花、副花冠が花被片の長さ以下で、1/3以上のスイセン。カップ咲きスイセンとも呼ばれます。主な花期は3~4月。品種は‘アイスフォーリス’、‘サロメ’、‘フォーチュン’など。

小杯(しょうはい)スイセン


‘ドクターヒュー’ Walter Erhardt/Shutterstock.com

一茎一花で、副花冠が花被片の1/3より短いもの。日本ではあまり流通していません。品種は‘シノペル’、‘ドリームライト’、‘ポーラアイス’など。

八重咲きスイセン


‘タヒチ’ sebastianosecondi/Shutterstock.com

副花冠と花被片のどちらか、あるいは両方が八重咲きのもの。たっぷりとした花弁が豪華な雰囲気です。品種は‘ウィンストンチャーチル’、‘タヒチ’、‘ブライダルクラウン’など。

トリアンドルス系


‘アイスウィング’ S.O.E/Shutterstock.com

一茎に複数の花を、うつむくように下向きに咲かせます。花被片がわずかに反り返るのが特徴です。品種は‘アイスウィング’、‘タリア’、‘ハウエラ’など。

キクラミネウス系


‘スナイプ’ Walter Erhardt/Shutterstock.com

一茎一花で、花被片がシクラメンのように反り返った花が特徴的。シクラメン咲きスイセンとも呼ばれます。品種は‘ジェットファイヤー’、‘フェブラリーゴールド’など。

ジョンキル系


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一茎に1~5個の、芳香のある小さな花を咲かせます。品種は‘スプリングビート’、‘ベビームーン’など

房咲きスイセン(タゼッタ系)


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茎の先端で茎が複数に分かれ、一茎に3輪以上の芳香のある花を房咲きに咲かせるタイプ。日本水仙もここに含まれます。品種は日本水仙、‘ガリル’、‘クラッグフォード’など。

口紅スイセン(ポエティクス系)


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副花冠はごく小さく、その縁に紅色や濃い黄色の縁取りが入るのが特徴です。品種は‘アクテア’、‘ピンクチャーム’など。

バルボコディウム(ペチコート咲き)


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大きな副花冠が特徴で、花被片は目立たず、筒状の楚々とした雰囲気が魅力的です。品種は‘ゴールデンベル’、‘ジュリアジェーン’など。

スプリットコロナ(バタフライ咲き)


‘ボシニー’ Walter Erhardt/Shutterstock.com

副花冠の長さ1/3以上が裂けているもの。‘オランジェリー’、‘ブロードウェイスター’など

その他

上記に当てはまらないもの。‘テタテタ’など。

原種や野生種、自然交配種

学名により区別されるもの。スピシーズ、ミニチュアスイセンなど。