日本では季節の変化を敏感に感じ取り、年中行事や習わしに添った植物を暮らしに取り入れてきました。
「二十四節気の花あしらい」では難しいルールにとらわれず、気軽に季節を感じられる花を楽しむテクニックを第一園芸のデザイナー、志村紀子がご紹介いたします。
2024年12月7日から二十四節気は大雪に
大雪(たいせつ)とは、北国や高い山で雪が本格的に降り始めるころを表した節気です。
今回はその名の通り、きらめくような光沢のある花びらが特徴の「ダイヤモンドリリー」がテーマ。ホリデーシーズンにぴったりな華やかさが魅力のこの花を楽しむ、花あしらいをご紹介します。
ダイヤモンドのように楽しむ
放射状に付く花を活かして、4色のダイヤモンドリリーをぎゅっと揃えて束ね、周囲にぐるりと「アセビ」を添えました。
あえて色は混ぜずに色ごとに分けて、ブリリアントカットのダイヤモンドのような多面体をイメージしています。花の名前や花弁の輝きも含めて楽しむ、特別な日におすすめしたい贅沢な花あしらいです。
こちらは淡いピンクのダイヤモンドリリーをひとかたまりにして、シルバーグリーンの「ダスティーミラー」を添えました。
こうした優しい色合いを引き立てるのが、白い陶器の器です。陶製の器は花が違った雰囲気に見えますので、ひとつ持っていると便利な器です。
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色とシルエットを活かす
ダイヤモンドリリーはすっと伸びた茎も魅力のひとつです。
華やかな花と伸びやかな茎、両方が映える大小の細い一輪挿しに生けました。シンプルな一輪挿しに一輪の花もよいものですが、サイズの違う器を組み合わせて使うと立体感が出て見ごたえがアップします。
一輪では寂しいな…と思ったときにお試しいただきたいテクニックです。
ダイヤモンドリリーは花が終わった後に葉が出ますので、花には葉がありません。
そこで、ここでは粒状の花と艶やかなダークグリーンの葉の「スキミア」を添えました。明るい花色にスキミアのような濃色の葉を合わせると、簡単におしゃれな雰囲気が演出できます。
今度は白いダイヤモンドリリーにスキミアと実が小さな松ぼっくりのような「ヤシャブシ」を合わせました。
モノトーンを思わせる色合わせで冬の雰囲気を演出した花あしらいです。
そして、ここまでの花あしらいは全て「白い器」を使用しています。
透明な器も使いやすいものですが、白い器は絵画のフレームのような効果があって、花をより引き立てることがお分かりいただけるかと思います。ぜひ、花あしらいの楽しみが広がるお気に入りの白い器を探してみてください。