
美しい花を咲かせるポピーは、世界中で多くの人に愛されている花。その反面、麻薬の原材料となるケシが同属であり、どこか妖しい魅力も放ちます。ポピーには多様な花色がありますが、その中でも数多くの物語に登場するのは鮮やかな赤い花を咲かせるポピーです。ローズアドバイザーの経歴を持ち、数々の文献に触れてきた田中敏夫さんが、その概要や魅力、種類、そして赤いポピーの物語についてご紹介します。
物語を彩る“赤い”ポピー
Photo/Мыльникова Оксана [CC BY 4.0 via Wikimedia Commons]
世界中で広く愛されているポピー(Papaver rhoeas:ケシ属ヒナゲシ種)。赤、ピンク、イエローなど花色も豊富ですが、中国、ヨーロッパの語り継がれている物語に登場するのは“赤い”ポピーです。今回はそんなポピーの魅力や、赤いポピーにまつわる物語をご紹介します。
まずは、日本で多く栽培されるポピーの主な園芸種について整理していきましょう。
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ポピーの主な園芸種
日本で園芸種として多く出回っているのは、アイスランド・ポピー、ポピー/ヒナゲシ、オリエンタル・ポピーの3種です。この3種に加え、“ヒマラヤの青いケシ”と呼ばれる近縁種のメコノプシスもご紹介します。