2025年1月20日から二十四節気は「大寒(だいかん)」に

最も寒さが極まる時季とされるのが大寒です。

二十四節気では24番目にあたり、新暦12月末のようなイメージを持つ節気です。そして、2025年は2月2日の節分までが暦の上の冬となり、2月3日から二十四節気は新たな暦を刻みはじめます。

大寒の季節感

節分

「節分」はその名の通り、節=節気の分かれ目を表していて、もともとは立春の前日のみならず、立夏、立秋、立冬と、年に四回訪れる「立」がつく節気の前日すべてを指す言葉です。江戸時代以降、立春前日の節分が旧暦の大晦日にあたることから、邪気を新年に持ち越さないための行事を行う日になり、いまもその風習が引き継がれています。

そして、この節分に行うのが「豆まき」で、一年間の邪気(=鬼)を追い払い、新年からの健康を願う意味で「鬼は外、福は内」の掛け声とともに豆をまく風習が行われるようになりました。

また、地域によっては「柊鰯」という、ヒイラギの小枝に焼いた鰯の頭を刺したものを玄関先に飾る風習も。これは、トゲのあるヒイラギの葉と鰯を焼く煙や臭いで鬼が家に入らないようにする、魔除けの意味合いが込められたものです。

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「ストック」

□出回り時期:10月~5月

□香り:あり

□学名:Matthiola

□分類:アブラナ科 アラセイトウ属

□和名:紫羅欄花(あらせいとう)

□英名:Stock、Gillyflower

□原産地:南ヨーロッパ

歴史

古代ギリシア、ローマでは薬草として栽培されていたと考えられている、歴史の古い植物です。日本には江戸時代初期に到来。日本最初の総合園芸書『花壇網目』(1681年刊)に「あらせいとう」の名が記されていますが、図としては1660年に狩野重賢が写生した図が『草木写生春秋之巻』で初めて紹介されました。

八重と一重

販売されているストックの多くは八重咲きの花ですが、実は花が咲くまで、八重または一重の花が咲くのか分からないというストックならではの特徴があります。しかも、出現率はほぼ半々。

そこで、生産者は子葉(双葉)の状態で八重を選別する、ストック栽培に欠かせない鑑別を行いますが、見分けが難しく熟練を要する作業のため、プロが行っても100%の確立にはならないようです。また、種の段階で選別され、95%近くの確立で八重咲きの花が咲くタイプもありますが、ごく一部の品種に限られています。

ジリフラワー

ストックやカーネーションなど、クローブ(丁子)の香りがする花を総称して、ヨーロッパなどではジリ(ギリ)フラワー(Gillyflower)とも呼ばれます。実際のストックの香りはクローブのスパイシーな香りのみならず、ほのかに甘いパウダリー香が合わさった芳香があり、この香りは「オイゲノール」と呼ばれ、ほとんどの香水に含まれる香りの要素です。

ニオイアラセイトウ

ストック(アラセイトウ)はアラセイトウ属ですが、ニオイアラセイトウはエリシマム属(エゾスズシロ属)に属する花です。その名の通り芳香があり、一部の品種はストックに似た姿をしていますが、ストックにはない鮮やかな黄色やオレンジ色の花が特徴です。また、城壁や壁の隙間でもよく育つことから、英語ではウォールフラワー(Wall flower)とも呼ばれています。

ヨルザキアラセイトウ

ストックの近品種「ヨルザキアラセイトウ」(Matthiola longipetala)は、その名の通り、夕方から夜にかけて香りが強くなる花です。別名「イブニング ストック」や「Night scented stock」とも呼ばれます。

ストックについては「旬花百科 第十話 ストック」でも詳しくご紹介しております。

二十四節気の花絵とあわせて、ぜひご覧ください。