
第3回目となる「東京パークガーデンアワード」が、東京・世田谷区にある都立砧公園でキックオフ! 作庭期間は、2024年12月中旬に5日間設けられ、書類審査で選ばれた5名の入賞者がそれぞれ独自の手法で、植物選びや土づくりに力を注ぎました。今回は、コンテスト終了の秋までローメンテナンスで健全な状態を保つように計算された各ガーデンの施工の様子をご紹介します。
第3回コンテスト会場の全貌

2022年からスタートし、画期的な試みとして注目を浴びている「東京パークガーデンアワード」。3回目となる今回は、多くの区民が訪れる都立砧公園。コンテスト会場は園内の子どもが遊べる‘みんなのひろば’前に設けられました。
サクラやケヤキなど落葉樹に囲まれた芝生エリアに設けられたコンテストガーデン。
コンテストガーデンの区画には、あらかじめ事務局にて「高さ40cmの木枠のレイズドベッドに客土された状態」の2対1組の花壇が5つ用意されました。ガーデナーは自身が表現したい植栽が健全に育つように、ガーデン制作時に土壌改良・施肥などをすることが可能です。

作庭が完了した12月下旬の様子。
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ガーデン制作にあたり、デザイナーが踏まえておくこと

デザイン・植物について
・ コンテストのテーマは「みんなのガーデン」とし、多年生植物をメインとしたガーデンを制作すること。
・ 国内市場で流通している植物のみ使用可能(採取した植物は不可)。
・ 公園内で爆発的に繁殖するおそれがある植物は使用不可。
・ 主たる植物は多年生植物を使用すること。容易に制御が可能な草本類に近い木本類は使用可能(全ての植物は高さ2m以内に限る)。
・ 構造物やガーデンオーナメント等の設置は不可。植物のみで構成すること。
・ 発生材処理のためのバイオネストの設置は可能。来園者の安全を考慮した仕様とすること。
作庭の様子。
メンテナンスについて
・ 展示期間中(2024年12月~2025年12月末)は入賞者がメンテナンスをし、それ以降は事務局が管理。
・ 補植は可能。
・ 最低限植物の状態を保つ週1回程度の潅水は事務局が行う。
・ 薬剤の散布は不可。自然素材の忌避剤の使用についても不可。
・ ごみ(発生材含む)は持ち帰り、または自身のガーデン内のバイオネストで処理をすること。
・ メンテナンスの計画を提出すること。
区画・土壌について
・ 会場の基礎土壌には、事務局にて準備した土を使用。
・ ガーデン制作時に施肥など土壌改良が可能。
【審査基準】公園の景観と調和していること/公園利用者の関心が得られる工夫があること/公園利用者が心地よく感じられること/植物が会場の環境に適応していること/造園技術が高いこと/四季の変化に対応した植物(宿根草など)選びができていること/「持続可能なガーデン」への配慮がなされていること/メンテナンスがしやすいこと/テーマに即しており、デザイナー独自の提案ができていること/総合評価
※各審査は別途定める規定に従い、審査委員による採点と協議により行われます。