マザーツリーから学べること
森の中でマザーツリーが果たしている役割は、私たちの庭や日常生活にも多くのヒントを与えてくれます。植物同士の助け合いや、世代を超えた支援の仕組み。これらは、庭づくりだけでなく、人間関係やコミュニティのあり方にもつながる知恵です。
私は社会福祉士として働いていますが、福祉の世界も共生社会の実現が大きなテーマであり目的です。本来の自然の仕組みやあり方を学んだとき、とても福祉の概念と近いものを感じました。むしろ自然から福祉のあり方を人間が学んだのかもしれません。
まずは1本果樹や多年草を植えてみたり、今ある果樹や多年草にマザーツリーの考え方を取り入れて、あなたの庭を「支え合う生命の場」に変えてみてはいかがでしょうか? その庭で育つ植物たちは、きっと生き生きと輝き出すことでしょう。
自然の力を借りた庭づくりは、私たち自身も豊かな気持ちにしてくれます。マザーツリーをヒントにした庭や菜園は、植物同士の調和を生み出し、私たちの暮らしにも喜びをもたらしてくれるはず。土に触れるときは、ぜひマザーツリーの知恵を思い出してください。
Credit
文&写真(クレジット記載以外) / 持田和樹
アグロエコロジー研究家。アグロエコロジーとは生態系と調和を保ちながら作物を育てる方法で、広く環境や生物多様性の保全、食文化の継承などさまざまな取り組みを含む。自身のバラの庭と福祉事業所での食用バラ栽培でアグロエコロジーを実践、研究を深めている。国連生物多様性の10年日本委員会が主宰する「生物多様性アクション大賞2019」の審査委員賞を受賞。
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