「二次面接の対策をどうすれば良いかわからない」という人も多いことでしょう。ジョブメドレーのキャリアサポートに、二次面接の目的や押さえるべきポイントを聞きました。

話を聞いた人

ジョブメドレーキャリアサポート Tさん

医療・福祉・ヘルスケア・美容業界に特化した求人サイト「ジョブメドレー」で求職者から寄せられる相談に対して、電話やメール、LINEなどで対応。医療・介護・福祉・ヘルスケア・美容業界への就職・転職活動をサポートする強い味方。

1.二次面接の前に知っておきたいこと

二次面接の目的と聞かれること

応募者の人柄やキャリアビジョンが企業理念に合うかを確認します。企業によっては最終面接の場合や、労働条件の確認を目的とするところもあります。とくに、新卒や業務経験が浅い人ほど、選考回数が多い傾向です。

よく聞かれる質問内容は、一次面接と共通する部分も多く、志望動機やこれまでの経験業務、今後のキャリアプランなどです。

一次面接との違い

面接官の役職や質問内容が異なります。一次面接は、人事担当者や現場社員が実施することが一般的です。一方、二次面接は役員などの経営層が、業界や企業に対する理解度、人柄、将来の展望を深く掘り下げます。

二次面接の通過率の目安

ジョブメドレーで扱う医療・福祉・美容職種では、50%くらいです。ただし、この数値には応募者自身による辞退も含まれます。また、大手や新卒採用を除いては、二次面接が最終面接という事業所・企業も多く、その場合の通過率は80%程度に上がります。

通過率はあくまで参考程度にとどめ、企業研究や質問対策をしっかりとおこなうことが大切です。

一次面接と同じ質問へ回答するポイント

一次面接での質疑応答を振り返り、回答内容に一貫性のある内容を考えておくと良いでしょう。二次面接では一次面接で聞かれた内容を、再度問われることがあります。この目的は、面接担当者が違っても回答内容に一貫性があるかを見るためです。

一次面接で答えた内容と一言一句違わず答える必要はありません。しかし、一次では自身の強みを「計画的に物事を進める」と答え、二次で「型破りな取り組みを打ち出してきた」エピソードを挙げると、どちらがその人を表しているのか混乱してしまいますよね。

好印象を与える志望動機の伝え方

二次面接では、企業の理解度と会社の文化に合っているかが重視されるポイントです。そのため、自身の強みを志望動機につなげて伝えられると良いでしょう。

また、二次面接は一次面接よりも時間をかけておこなう企業も多く、回答に対してより深い内容を尋ねられることも想定されます。具体的なエピソードを交えて説明すると説得力が増し、応募先で活躍するイメージを面接官に与えられます。

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2.二次面接の質問と回答例

ここからは、二次面接でよく聞かれる質問と回答例を紹介します。

「志望動機を教えてください」

面接官が変わっても志望動機を聞かれるケースがほとんどです。ただし、一次面接での回答内容が共有されているため、全く同じ内容では熱意が伝わらない可能性があります。応募先の理念や、事業内容、他社にはない魅力など、応募先でなければならない理由を答えると、説得力が増します。

回答例

貴院の「地域のかかりつけクリニック」という理念に共感し、応募しました。とくに、小児から高齢者まで幅広い患者さまに安心してご来院いただくため、予防接種や健康診断専用の時間帯を設け、感染対策をおこなう取り組みに魅力を感じております。これまで3年間の集中治療室勤務において培った看護の手技力と臨機応変さを貴院で活かしながら、地域のニーズに応えられる医療体制の構築に貢献したいです

「これまでどのような業務を経験してきましたか?」

二次面接では、求めるスキルと経験があるかが重要視されるため、応募先の業務内容に結びつけてアピールしましょう。数値を交えて実績を紹介すると、より具体的に経験や成果を伝えられます。もし経験が浅い場合は、正直に伝えつつ、学ぶ姿勢や向上心を示すことが大切です。

回答例

新卒から7年間、有料老人ホームにて介護業務全般を経験してまいりました。業務と並行して介護福祉士の資格を取得し、5年目からはフロアリーダーとしてチームのマネジメントもおこなってきました。当初は職員の意見を集約し、業務に反映させることに苦戦しましたが、月1の個別面談を導入した結果、職員の年間欠勤率が3%減り、離職率も15%から4.5%に減少させることができました

「あなたの強みと弱みは何ですか?」

長所や短所をそのまま伝えるのではなく、応募先でどう強みを活かせるか具体例とともに伝えるのがポイントです。弱みに関しては、裏を返せば長所といえるような内容や、克服しようと心がけていることを伝えると良いでしょう。

回答例

私の長所はリーダーシップです。前職の認可保育所では、幼児クラスのリーダーを務め、新人教育プログラムの作成と実施をとおして人材育成に注力してきました。

一方の短所は、心配性なところです。計画的に準備したことでも何度も確認を繰り返し、予定以上に時間をかけてしまうことがあります。そのため、あらかじめチェック項目まとめるなどして効率化を図り、改善に努めています

「周囲からどのように評価されていますか?」

二次面接で周囲からの評価や印象を聞く理由は、自己評価の確認と、社風や職場環境との適性を見極めるためです。応募先の公式サイトやブログ、SNSを参考に会社の雰囲気や求めている人物像を把握し、これまでの評価を踏まえ、応募先に適した内容を伝えましょう。

回答例

前職のリハビリ病棟の部長や同僚からは、「仕事が丁寧で責任感がある」と評価されていました。一人ひとりの話に耳を傾け、ご本人の希望を尊重したうえで適したリハビリ内容を考案し、反応を見ながら調整することを心がけていました。その結果、患者さまの状態が安定し、「じっくりと話を聞いてもらえたことでリハビリを楽しく続けられた」と感謝の言葉をいただくことが励みになりました

「入社後に実現したいことを教えてください」

入社後に実現したいことを聞く理由は、応募者の入社意欲を確認し、募集職種の内容で実現可能かを見極めるためです。また、この質問を通じて応募者が自社で活躍するイメージが湧くかどうかも判断しています。

回答例

貴社のドラッグストアでOTC医薬品の知識を深め、お客さまのニーズに合う商品提案をおこないたいと考えています。また、セルフメディケーションを促進するため、健康教室などのイベントの企画や実施にも取り組みたいと考えております。前職の総合病院併設型調剤薬局で培った、幅広い処方箋や患者さまへの対応力を活かしながら、新たな知識を習得し、経験を積み重ねていきたいです

「今後のキャリアプランをどのように考えていますか?」

この質問の目的は、入社してすぐに実現したいことだけでなく、将来的に成し遂げたいことなど中長期的な視点での目標を確認するためです。いつまでにどのように成長し、会社にどう貢献できるかを具体的に伝えるのがポイントです。

回答例

病院における管理栄養士業務は未経験のため、最初の1年間は、患者さまの状態に合わせた献立作成・栄養指導に関する知識のインプットに努めます。そのため、いち早く給食部門の仕事を覚え、臨床部門の仕事に挑戦したいと考えております。2年目以降は、摂食嚥下支援チームに参加して専門性を高めたいです。そして、3年後には多職種チームのなかで中心的な役割を担い、御院に貢献したいです。5年後、10年後には御院の管理栄養士として、地域の健康を栄養面でサポートする人材になることを目指します