家のトースターで十分おいしく焼き上がる。パン愛好家のひのようこさんいわく、「高温で短時間で焼き上げるのがコツ」。

焼き方、パンの買い方、バター選び。自分流にトーストを探求する楽しみ。

「おいしい食パンを買った日の翌朝は、目覚ましが鳴らなくても、自然と目が覚めるんです」

365日、一日たりともパンを欠かさず、探求の日々をおくるパン愛好家のひのようこさんは言う。トーストも”最高”を叶えるべく、パン選びから買い方、焼き方、楽しみ方までこだわり抜く。食パンには大きく分けてリッチでもっちりとした角食と、あっさりサクッとした山食があるが、「どちらにも、焼かずに食べるおいしさと、トーストしたときのおいしさがあるので、まるごと1本買ってきて、まずはそのままで、それからトーストに、いろいろアレンジして楽しんでいます」。

スライスする厚さも、その日の気分で変えている。薄めに切ってカリカリ感を楽しむか、厚切りでふんわり感を味わうか。厚みによって異なるおいしさに出合えるのも、トーストの楽しみだという。焼くときは、もっぱらオーブントースターで。

「焼き時間は、食パンの水分量によって違うので、目を離さず、高温で短時間で焼くと、表面はカリッ、中はもちっとした理想のトーストに。バターはあえて均一に塗らず、塊のままにして、温かいパンとバターのひんやり感を楽しむのが好きです」

近年はおいしい国産品が増えているので、バターの食べ比べも実践中。あおさやデュカを混ぜてフレーバーバターにしたり、カカオニブや塩昆布を重ねるなど、ひのさんのトーストの楽しみ方は無限だ。合わせるものも、コーヒーに限らず、「味噌汁とバタートーストの組み合わせも好き。パンも味噌も発酵食品同士、よく合うんです。最近はお抹茶と合わせるのにも凝っています」。

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家で最高のトーストを焼く方法。

1.食パンは1本で買う。

2.食べる直前にパンを切る。

3.予熱したトースターで焼く。

4.溝がついたトレーで休ませる。


1. 同じ食パンでも時間とともに味わいが変化し、厚さによってトーストの食感も変わる。「スライスされていないものを1本買ってくるのが正解。3日間ぐらいなら常温保存が可能。パンを劣化させるので、冷蔵保存は禁物。食べ切れないときは、スライスしてから一枚一枚ラップで包み、保存袋に入れて冷凍。トーストするときは解凍せずに焼いてOK」


2. パンは乾燥や湿気が大敵。特に乾燥すると生地がパサついてしまうので、トーストする直前に好みの厚さにスライスするのがベスト。「断面のなめらかさも食感につながるので、刃渡りの長い波刃のパン専用ナイフはぜひ一本。パン好きなら、ナイフを入れるとつぶれてしまうようなやわらかい食パンもきれいに切れる電動のパンナイフがおすすめです」


3. 手軽に、中は水分を残してもっちりと、表面をカリッと焼くにはオーブントースターが最適。「240℃前後で3~4分程度、あらかじめ庫内を温めて、短時間で焼くのがコツ。最初は蒸気で窓が曇りますが、1分もすると消えて焼き色がつき始めるので、そこからは目を離さず好みの焼き加減に。私は〈アラジン〉のグラファイトトースターを使っています」


4. カリッと焼いたトーストは、溝がついたトレーやボードで休ませてから、皿へ。すぐに平らな皿に置くと、蒸気でむれて、せっかくカリッと焼いたパンがしんなりしてしまう。「私は溝がついたパン用のカッティングボードを利用していますが、最近は蒸気を逃がす溝がついたトースト専用のトレーやボードも。皿の縁に立てかけておくだけでも違います」