ペットの高齢化で治療の難易度が上がり、淘汰に拍車

――ペット関連のニュースを見ると、日本の流通大手系の動物病院や、外資系の巨大動物病院グループなどが盛んにM&Aを行って傘下の動物病院を増やしているとされていますが。

担当者 個別の社名は控えたいのですが、大手資本系列の動物病院は、新規開業やM&Aで事業を拡大しているところも目立ってきました。

――東京商工リサーチの調査では、人間のクリニックの倒産が過去20年で最多という報告があります。後継者難や高額な医療機器のコスト増などが大きな要因とされていますが、動物病院にも同じなのでしょうか。動物病院が今後、生き残るためには何が一番大切と考えていますか。

担当者 ペットの高齢化とともに、治療の難易度も上がってきています。獣医のなかでもより専門性が高くなり、高度な医療機器を揃えている動物病院も増え、結果として競争が激化しています。

小さな動物病院は、資金的にも脆弱で、高度治療の知識や高額な設備機器を導入する資金力も乏しく、そうした動物病院と張り合うと淘汰される可能性が高まっています。むしろ地域密着型で、飼い主の信頼を高めながら、固定利用者の確保が生き残りの鍵だと思います。

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飼い主も「かかりつけ医」のリスクに注意を

――今回の調査で特に強調しておきたいことがありますか。

担当者 動物病院は倒産自体が少ないのですが、一般の病院と同様に競争が激化しており、獣医の力量、人あたり、設備が問われる時代を迎えています。飼い主さんも、普段、利用している動物病院が、ある日突然、休・廃業や倒産するリスクが少しずつ高まっていることに注意が必要になっています。

(J‐CASTニュースBiz編集部 福田和郎)