日本では季節の変化を敏感に感じ取り、年中行事や習わしに添った植物を暮らしに取り入れてきました。

「二十四節気の花あしらい」では難しいルールにとらわれず、気軽に季節を感じられる花を楽しむテクニックを第一園芸のデザイナー、志村紀子がご紹介いたします。

2024年4月4日から二十四節気は立春に

清明とは、万物が清らかでいきいきとした気がみなぎる様子を表した節気です。

季節はここから晩春に入り、春の節気も終盤に。

今回のテーマ「ガーベラ」は一年を通して出回る人気の花ですが、春は出荷の最盛期にあたります。ここでは、さまざまな色や花のサイズがあるガーベラの中から、清明の季節感にぴったりな、パステルカラーのガーベラを使った花あしらいをご紹介します。

一輪を活かす

ガーベラは花も茎も美しく、オブジェのような存在感がある、一輪で生けても様になる花です。

まずは、シンプルな花器に一輪のガーベラを生けてみましょう。

ここでは、一輪挿しよりも大き目の、高さ約20cm×6cm角のガラス花器に一輪を生けました。そのまま生けると花の位置が定まりませんので、金色のワイヤーをガーベラにゆるく巻きつけて花留めにしました。

わざわざ一輪挿しの花器を用意しなくても花留めを工夫することで、大き目の器でも一輪を楽しむことができます。

今度は、一輪のガーベラに「タマシダ」を添えました。

タマシダと器のシルエットが相まって、立ち上っていくようなイメージの花あしらいになりました。ここでは高さの違う花器を使って、それぞれに生けたものを並べていますが、こうするとより空間が立体的に感じられるようになります。

もちろん、一つだけでも大丈夫。飾る場所にあわせて数を増やしたり、減らしたりできるのが一輪挿しの魅力です。

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春ならではの組み合わせを楽しむ

口の細い花器に2、3本のガーベラをあしらいました。

ガーベラは長さや色、花の大きさの組み合わせで表情が変化します。組み合わせに絶対はありませんので、いろいろな組み合わせを楽しみながら工夫してみましょう。