新型コロナウイルスの感染拡大により、いったん姿を消した朝の「痛勤」。しかし東京では、混雑率がじわじわ上昇、 国土交通省が2025年7月に発表した調査によると、東京圏の平均混雑率は139%(2024年度実績)で、前年より3ポイント高くなった。4年連続の右肩上がりとなっている。

板橋―池袋、中野―新宿、川崎―品川は混雑率150%超す
混雑率は列車の定員をもとに計算している。100%の目安は「全員が座席につくか、つり革につかまるか、ドア付近の柱につかまることができる」。150%は「肩が触れ合わない程度。ドア付近の人が多くなる」。さらに200%になると「体が触れ合い、相当圧迫感がある。ドア付近の人は身動きがとれない」とされる。
路線別にみると、JRで最もこみあうのは埼京線(板橋―池袋)で163%。次いで中央線(中野―新宿)の161%。京浜東北線(川口―赤羽)の156%や、東海道線(川崎―品川)の154%も目立っている。
地下鉄三ノ輪―入谷、中井―東中野など
地下鉄では日比谷線(三ノ輪―入谷)の163%が最も混雑している。大江戸線(中井―東中野)の155%、南北線(駒込―本駒込)の152%などが続く。今回の調査で私鉄各線は150%未満だった。
ふりかえれば昭和の高度成長期、東京圏の平均混雑率は200%をはるかに超え、「殺人ラッシュ」や「通勤地獄」と呼ばれた。1998年の国会でも「国民の健康や労働意欲に悪影響」「通勤者が押し込まれるような状態は人権問題に近い」などと議論された。
このため鉄道各社は、新規路線や複々線化、オフピーク通勤キャンペーンなどに取り組んだ。コロナ禍前の2019年度は163%。パンデミックで状況は一変し、在宅勤務(テレワーク)やオンライン授業が広がって、2020年度は107%と、前年より50ポイント以上も劇的に低下した。