都立公園を新たな花の魅力で彩る画期的コンテスト「第4回 東京パークガーデンアワード」夢の島公園でスタート

都立公園を新たな花の魅力で彩る画期的コンテスト「第4回 東京パークガーデンアワード」夢の島公園でスタート

コンテストガーデンB
潮風に揺れるプレイフルガーデン
-Playful Garden Swaying in the Coastal Breeze- 

MOTe. (モト) 茂木大樹

MOTe. (モト) 茂木大樹

(東京都)

早稲田大学理工学術院建築学専攻卒業。在学中、< lang="EN-US">École nationale supérieure d</>’< lang="EN-US">architecture de Grenoble</>(フランス< lang="EN-US">)</>留学。卒業後は、東日本大震災被災地・福島県にて、< lang="EN-US">NPO</>や大学研究施設で復興に関わる調査研究と実践に携った後、建築設計・造園事務所で実務を経験。現在は、建築・インテリア・ランドスケープを横断的に扱うデザイン事務所< lang="EN-US">MOTe. </>を運営し、企業や個人、建築設計者と協働して、建築やランドスケープの企画・設計・意匠監修業務に携わっている。用途や規模を問わず、建築、内装から外構植栽、マテリアルまでを一体的に捉えた空間デザインを行っている。

【作品のテーマ・制作意図】

■ユーカリ樹林や公園風景を主役にする庭 ―夢の島公園の景観と調和した植物選び―
・公園の象徴であるユーカリ林を主役に、遠くからは樹林の前景として眺める花壇、入り込めばユーカリの壁を借景に、緑に包まれる植栽空間を創出。背後の樹林と庭の植栽がつながるよう視線の抜けや緑の連続感を意識し、園全体との一体感を演出します。
・バンクシア、カリステモン、ハマゴウやメリアンサスなど、海辺の環境に耐えながら、豪州庭園を有する公園の既存植生や景観、海風の雰囲気に馴染む庭景を演出します。
・冬季に訪れる来園者にも配慮し、花後も景観を彩るグラスや常緑樹、カラーリーフ類を混植し、季節ごとに表情が変わり、秋冬も映えるガーデンとします。

■公園遊具・風景のきっかけとしての庭―利用者の関心を引き、居心地を生む仕掛け―
・子ども用遊具が少ない園内に、アスレチックや回遊ごっこを誘発する植栽空間を提案します。地面のウェーブ(アンジュレーション)と植栽の高低差で、歩くたびに景色が見え隠れする立体的な庭を演出し、眺めても歩いても楽しめる空間とします。
・大人の見守りの視線は通しつつ、子どもにとっては草花のトンネルのように感じられる空間体験を演出します。園路沿いベンチを起点に、子どもの好奇心を植物へ導き、自然への関心を育む場とし、二列花壇の適所に通り抜けポイントを設けることで、アクセス性と回遊性を高めます。

【主な植物リスト】

宿根草:ユーフォルビア・ウルフェニー/ユーフォルビア・セギリアナ/トリトマ‘グリーンシェイド’/モナルダ・フィッツローザ/エキナセア‘ミニベル’/エキナセア・パリダ/シシリンチウム・ストリアタム/スターチス・ラティフォリウム/ホソバチョウジソウ/オレガノ・マルゲリータ/アキレア‘マシュマロ’
グラス類:パンクスグラス‘プミラロゼア’/ミューレンベルギア・リンドハイメリ/ペニセタム・アロペクロイデス/カレックス‘フェニックスグリーン’/カレックス・フラッカ
低木:カリステモン・ドーソンリバー/コースト・バンクシア/グレビレア‘プーリンダ・イルミナ’/グレビレア ・ジョンエバンス/グレビレア‘ドーン・パープル’/メラレウカ‘タイムハニーマータル’/ハマゴウ‘プルプレア’/ギョリュウバイ‘ナニューム・ルブルム’
球根: チューリップ・トルケスタニカ/チューリップ‘シルビア’/チューリップ‘ヒルデ’/チューリップ・タルダ‘インタラクション’/チューリップ・クレティカ‘パニア’/チューリップ・マーラ/チューリップ‘ビオレッタ’/カマッシア‘カエルレア’/カマッシア‘アルバ’

コンテストガーデンB 月々の変化

1月の様子

常緑の植物を多く取り入れているこのガーデンでは、真冬でもグリーンのにぎやかなグラデーションを楽しむことができます。マルチングの色とのコントラストも美しく、寒さにあたって赤みを帯びた葉や、やや退色した緑など、この時期ならではの葉色が、植栽全体の表情を豊かに演出しています。

【写真中の主な植物】上左/ウエストリンギア‘スモーキー’、メリアンサス・マヨール、グレビレア‘プーリンダ・イルミナ’ほか 上右/ジギタリス‘クリームベル’、オレガノ・マルゲリータ、ヒルベリーほか 下左/アガパンサス‘ファイアーワークス’ 、ユーフォルビア・ウルフェニーほか 下右/矮性パンパスグラス、メリアンサス・マヨールほか 

12月の様子

コンテストガーデンB『潮風に揺れるプレイフルガーデン -Playful Garden Swaying in the Coastal Breeze-』12月中旬、作庭後の様子。

コンテストガーデンC
Stewardship Garden:The Way

ぐりんぐりん 横田拓伸

ぐりんぐりん 横田拓伸

(東京都)

高等学校卒業後、アメリカで映画を学び、帰国後に俳優・モデルとして活動。海外公演も経験したのち、< lang="EN-US">35</>歳で伝統工芸師に転身。その後、< lang="EN-US">39</>歳で造園の世界へ。< lang="EN-US">1</>年後には英国チェルシーフラワーショーに参画し、独立。『造園会社ぐりんぐりん』を立ち上げ、『世界を熱烈にハッピーにする< lang="EN-US">!</>』を使命に、個人邸を中心とした庭づくりを続けている。

【作品のテーマ・制作意図】

この庭は、まるで人の一生を映し出すかのような場所。最初は何も育たない砂地が、植物や小さな生き物たちのチカラ、そしてそこに暮らす人々の手によって、ゆっくりと豊かな土壌へと育っていく。それはまるで、子供が成長して大人になり、やがて成熟世代へと人生を重ねていく時間の流れと、重なり合っているかのよう。子供たちは砂のような柔らかな心で庭と遊び、自然からたくさんのことを学ぶ。大人になれば、その庭は家族や友人と収穫や語らいを楽しむ場所になり、成熟世代になれば、その成長した庭を眺めながら穏やかな、心豊かな時を過ごす。この庭は自然と人が共に成長し、砂が子供、豊かな土壌が大人へと成熟していくように、自然の再生と成熟への時、人生の旅路を映す『道』を示している。

【主な植物リスト】

宿根草:ユーパトリウム/トリトマ/ヘリオプシス/オミナエシ/オトコエシ/ペンテスモン/エキナセア/ベロニカなど
グラス類:カールフォスター/ミスカンサス/ディプカンシア/カレックス/モリニア/コメガヤなど
球根:アリウム/スイセン/ダッチアイリス/フリチラリア/カマシア/オダマキ/ラナンキュラス・ラックス/ゲイソリザ/ツベロサム/シラーなど

コンテストガーデンC 月々の変化

1月の様子

あちこちに植えられたラナンキュラス・ラックスの青々とした葉が、どことなく寂しい冬の植栽にやわらかな彩りを添えています。植物がまだ小ぶりなこの時期は、3種類のマルチング(バークチップ、クルミの殻、洗い砂)の遊び心がいっそう際立ち、デザイナーのこだわりを感じさせます。

【写真中の主な植物】上左/カラマグロスティス・ブラキトリカ、ラナンキュラス・ラックス‘アリアドネ’、セダム‘マトロナ’ほか 上右/カラマグロスティス・ブラトリカ、ペンステモン‘ハスカーレッド’、ほか 下左/カレックス‘プレーリーファイアー’、ラナンキュラス・ラックス‘アリアドネ’、ペンステモン‘ハスカーレッド’ほか 下右/カラマグロスティス‘カールフォスター’、ベロニカ‘フェアリーテイル’、ペンステモン‘ハスカーレッド’ほか

12月の様子

コンテストガーデンC『Stewardship Garden:The Way』12月中旬、作庭後の様子。

コンテストガーデンD
SurFIVE Garden

PICNIC garden design 河野友香

PICNIC garden design 河野友香

(栃木県)

大学卒業後、エクステリアとガーデンの専門学校で学び、造園会社で経験を積み独立。庭で過ごすことの楽しさ、豊かさを伝えるために活動中。ローメンテナンスで心地よく、“センス・オブ・ワンダー”を感じられる庭づくりを通して、自然と人が穏やかに寄り添う空間を提案している。

【作品のテーマ・制作意図】

夏の猛暑や乾燥といった「過酷な環境を生き延びる力強さ(Survive)」×「海の波や生命のうねりを感じさせる (Surf)」を掛け、その植物のパワーが波のように広がり未来へとつながっていくイメージと、五感を刺激する植物の組み合わせを『SurFIVE』という言葉で表現しています。またガーデンのテーマカラーとしてオレンジの花色の植物を多く取り入れ、親しみやすさや太陽のもとで元気に咲く植物の生命力をアピールします。

【主な植物リスト】

宿根草: カンナ/クニフォフィア・ルーペリ/メリアンサス・マヨール/エキノプス /ロシアンセージ/アキレア/バーベナ・ボナリエンシス
グラス類:カラマグロスティス‘カールフォスター’/カラマグロスティス・ブラキトリカ/パニカム‘シェナンドア’/エラグロスティス・スペクタビリス
球根: アリウム‘マジック’/ミニチューリップ‘ショーグン’/イフェイオン‘ウィズレーブルー’/スイセン‘タリア’

コンテストガーデンD 月々の変化

1月の様子

大きめなバークでごつごつとマルチングされたガーデンは、一見ワイルドな印象です。しかし、植物はやわらかな趣の宿根草が多く使われていて、そのギャップが面白みを感じさせます。この時期は、メリアンサス・マヨールがオーナメンタルな存在感を発揮。

【写真中の主な植物】上左/カラマグロスティス‘カールフォスター’、クニフォフィア  ‘ルーペリ’ほか 上右/アキレア‘ウォルタープング’、サルビア・ネモローサ‘カラドンナ’、ラックス‘ラックス’ほか 下左/メリアンサス・マヨール、銅葉キンギョソウ ‘ブラックプリンス’ほか 下右/ラナンキュラス・ラックス ‘サティロス’、エキノプス ‘リトロ’ほか

12月の様子

コンテストガーデンD『SurFIVE Garden』12月中旬、作庭後の様子。

コンテストガーデンE
「東京サバンナ・バイ・ザ・ベイ」 〜地の記憶と環境を翻訳する庭 

本田ハビタットデザイン 本田直也

本田ハビタットデザイン 本田直也

(北海道)

1996年より札幌市円山動物園にて動物専門員として勤務。飼育技術者として、多くの希少野生動物の飼育・繁殖・保全、および飼育施設や展示環境の設計に携わる。2022年に独立し、本田ハビタットデザインを設立、デザイン学の観点を活かして、動物園や飼育展示環境のデザインに関するコンサルタント業を開始。同年、北海道恵庭市にて、飼育下における希少野生生物の保全と研究を目的とした野生生物生息域外保全センターを、全国の動物園・水族館の技術者や研究者と共に設立し、代表理事に就任。日本の動物園における飼育環境と展示デザインの向上、動物園ランドスケープ、動物園園芸の分野確立、そして飼育技術者の立場からの野生生物保全に取り組む。

【作品のテーマ・制作意図】

かつて廃棄物で埋め立てられたこの島には、現在ユーカリの森を中心とした強健な植生が根づき、都市にありながら原始的で異国的な景観を生み出しています。今回、植栽地となるこの森の縁に広がる強い日射と潮風にさらされた芝生を目にしたとき、「ここは都市の果てに現れたアーバン・サバンナだ!」と直感しました。

植物を単なる装飾に限らず、この地固有の「環境を翻訳する存在」と捉え、来園者が海風・光・湿度・熱といった目に見えない環境を感覚・知覚できる場をつくります。「東京サバンナ」は景観的なサバンナの模倣ではなく、夢の島の歴史と環境条件から必然的に現れた都市の新しい風景です。都市と自然の狭間に生まれたこの庭を通じて、来園者が環境や植物との関わりを見つめ直し、都市園芸の新たな可能性を感じ取るきっかけとなることを願います。そしてこのガーデンが、見た目の美しさと維持のしやすさを兼ね備えた、持続可能な宿根草ガーデンの新しいスタンダードとして育まれれば幸いです。

【主な植物リスト】

宿根草:ビゲロウィア・ヌッタリー/エゾノヨロイグサ/ハマボウフウ/ヒューケラ・シャムロックなど
グラス類:カラマグロスティス‘カールフォスター’/パニカム・ヘビーメタル/セスレリア・オータムナリス/フェスツカ・アメジスティナなど

コンテストガーデンE 月々の変化

1月の様子

バーク堆肥でマルチングされたガーデンには、植物たちがまだまだぬくぬくと眠っているかのような静けさが広がっています。しかし表土をよく観察すると、小さな葉をのぞかせ始めた宿根草の姿があり、強い生命力が感じられます。これからどのような風景が描かれていくのか、まったく想像がつかないだけに、今後の成長への期待がいっそう高まります。

【写真中の主な植物】上左/ゲウム‘バナナダイキリ’ 上右/リベルティア‘ゴールドストライプ’ 下左/ヒゲロウィア・ヌッタリー 下右/ポテンティラ‘ヘレンジェーン’

12月の様子

コンテストガーデンE『「東京サバンナ・バイ・ザ・ベイ」 〜地の記憶と環境を翻訳する庭』12月中旬、作庭後の様子。

5つの花壇のコンセプトと作庭について詳しいレポートはこちらをチェック!

5名のガーデンコンセプトを詳しくご紹介 12月に行われた5名の“庭づくり”をレポート!

コンテストガーデンを見に行こう! Information

都立夢の島公園「グリーンパーク」内
所在地: 東京都江東区夢の島2-1
電話: 03-3522-0281
https://www.tokyo-park.or.jp/park/yumenoshima/index.html#traffic
開園時間:常時開園
※サービスセンター及び各施設は、年末年始は休業。営業時間等はサービスセンターへお問い合わせ下さい。
入園料:無料(一部有料施設あり)
アクセス:東京メトロ有楽町線(Y24)・JR京葉線・りんかい線「新木場」下車、徒歩7分。東京メトロ東西線「東陽町」(T14)から都バス(東陽町-新木場、東陽町-若洲海浜公園)「夢の島」下車。高速湾岸線「新木場インター」より5分
駐車場:有料

第4回 東京パークガーデンアワード

https://www.tokyo-park.or.jp/special/kadan/yumenoshima/

事務局:東京都公園協会

Credit 写真&文 / 井上園子 - ライター/エディター -

いのうえ・そのこ/ガーデニングを専門としたライター、エディター。一級造園施工管理技士。恵泉女学園短期大学園芸生活学科卒。造園会社、園芸店を経て園芸雑誌・書籍の編集者に。ガーデニング以外の他分野のPR等にも携わる。自身もガーデニングを楽しみながら、美術鑑賞や旅行を趣味にする。植物を知っていると、美術も旅も楽しみの幅が広がりますね。

撮影 / 3and garden

スリー・アンド・ガーデン/ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。2026壁掛けカレンダー『ガーデンストーリー』 植物と暮らす12カ月の楽しみ 2026 Calendar (発行/KADOKAWA)好評発売中!

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